LIXIL労働組合様は、ミッションに「組合はみんなの笑顔を創ります。守ります。育てます。」を掲げ、組合活動を通じてさまざまな経験を積み、知見や知識、スキルを高めることで、組合員一人ひとりの人生をより豊かなものにしていくことをめざしています。その一環として組合員を対象にした各種研修にも力を注がれています。

今回LIXIL労組様では、執行委員と中央委員を対象に「リーダーシップ&オンラインプレゼンテーションセミナー」を1回2時間・全4回のプログラムで実施されました。研修講師は当社の西野浩輝が務めました。

LIXIL労働組合中央執行委員長の武智信義氏と中央書記長の野中千年氏に、研修を実施することにされた背景や、マーキュリッチを研修会社に選んだ理由、研修内容に関する評価・感想などについて、お話を伺いました。

組合活動を通じて、身につけてほしいリーダーシップ力がある

― LIXIL労組様ではこのたび組合の執行委員と中央委員を対象に、4回に分けてリーダーシップとオンラインプレゼンテーションセミナーを実施されました。この研修を実施した狙いについて教えてほしいと思います。まずはリーダーシップに関してですが、そもそもなぜリーダーシップに関する研修を企画されたのでしょうか。

武智様 今回の研修の受講対象になった中央委員というのは、労組の各支部で代表を務めている人たちです。また執行委員は、労組の決議事項について文字通り責任を持って執行する立場にある人たちで、やはりリーダー的な立場にあります。

労組で執行委員や中央委員として活動することは、会社の業務とはまた違うかたちでリーダーシップを磨ける場になると考えています。会社の場合は指揮命令系統がはっきりしていますから、リーダーが指示をすればメンバーは動いてくれます。しかし労組の場合、委員長や委員という肩書きは役割を表しているに過ぎず、指揮命令権はありません。

ですから労組のリーダーが組合員を動かすためには、相手の立場や考え、悩みなどに共感を示しつつ、こちらの考え方や要望を説得力のあるかたちで相手に伝えられることが求められます。いわば「人の想いに共感できるリーダー」や「人の心の痛みがわかるリーダー」でなくてはいけないわけです。こうした労組での経験を通じて培われたリーダーシップは、将来会社でリーダーとして働く際にもきっと活きるはずです。

私は労組が、「人の思いに共感ができ、人の心の痛みがわかるリーダー」を数多く輩出できる場になればと考えています。そうしたリーダーが1人でも増えれば、会社にもよい影響をもたらすはずです。

実は、今までもリーダーシップの研修はおこなってきました。ですが、「知っている(見聞きしたことがある)」から「わかる・出来ている」に変えていく必要性を強く感じ、そのためにも労組自身が組合員のリーダーシップ力向上の支援に力を注ぐ必要があると考え、研修を実施することにしました。

― なるほど。ありがとうございます。ではオンラインプレゼンテーションに関する研修を実施しようと思われた理由は何でしょうか。

野中様 武智も話しましたように、リーダーは「自分の考えや想いを、わかりやすく納得感や説得力のあるかたちでメンバーに伝える力」がとても大切になります。

ところがコロナ禍において、組合員とのコミュニケーションをオンラインで行う機会が増えたことで、対面のとき以上に自分の考えや想いをうまく相手に伝えることができず、苦労しているリーダーも多いようです。そこで今の時代、オンラインでのプレゼンスキルがとても重要になってきていると考え、リーダーシップと併せてオンラインプレゼンテーションについても学べる研修を設定することにしました。

場の空気を上手に作り、受講者全員を巻き込みながら研修を進めてくれると感じた

― 研修会社にマーキュリッチを選んだのはどうしてだったのでしょうか。

野中様 それは以前私が、マーキュリッチさんの体験セミナーに参加したことがあったのが大きかったですね。

そのときに講師を務めていた西野さんは、理論オンリーでもなければ、ノウハウに偏りすぎることもなく、理論と実践のバランスの取れた研修を展開されていました。また理論を語るときもノウハウを語るときも、ご自身の経験を交えながら話していただけたので、具体的なイメージがしやすかったことをよく覚えています。

何より印象的だったのが、受講者が最初に部屋に入ったときに、西野さんが一人ひとりに丁寧に声をかけていたことです。周りは知らない人ばかりでしたから、私も初めはとても緊張していました。それが西野さんから声をかけられたことで、緊張感がふっと緩みました。「西野さんは、場の雰囲気づくりとても上手な方だな」と感じました。また研修中もほどよいタイミングで受講者に声かけをするなど、受講者全員を研修に巻き込んでいくための工夫をされていました。

私たちが今回実施した研修も、受講者は全国の委員の中から希望制で募っており、受講者同士が直接コミュニケーションをとる機会は限られています。また今回は対面ではなく、オンラインでの開催となりました。けれどもそんな中でも西野さんなら、場の空気を上手に作り、受講者全員を巻き込みながら研修を進めてくださるのではないかと考えました。それでマーキュリッチの西野さんにお願いすることにしたわけです。

毎回宿題が出されたので、受講者は研修の合間も気が抜けない状態になった

― 今回は、1回2時間の研修を4回に分けて行いました。また研修と研修の間は、2週間(最後の3回目と4回目の間だけ1週間)ほど期間を空けました。この狙いは何でしょう?

武智様 通常の企業研修なら、平日にまる1日研修日を設定して、8時間なら8時間集中的に実施することが可能でしょうが、労組が主催する研修ではそれが難しいというのが最初の理由でした。労組主催の研修の場合、就業時間中に研修を行うことはできませんからね。そこで8時間のプログラムを4回に分け、1回につき2時間の研修を平日の定時後に実施することにしたわけです。結果的には、これが非常によかったと感じています。

西野さんは、毎回研修の最後に、次の研修までの宿題を受講者に出しくださいました。「研修中に取り組んだワークの完成度をさらに高める」「プレゼンテーション研修に備えて、プレゼン資料を作ってくる」といった宿題が課されました。

すると受講者は宿題があるので、研修の合間の期間も気が抜けません。また研修の合間は、前回の研修で学んだことを職場の仕事や組合活動の中で実践してみる期間にもなりました。受講者にとっては、1日集中の単発の研修を受けるよりも、より中身が充実しており、学んだスキルや知識、意識の確実な定着が図れるプログラムだったと思います。

― 当日の研修については、どんな感想を抱かれましたか。

野中様 とにかく受講者に頭を使わせる研修でしたよね。受講者のみなさんは、よい意味で大変だったと思います。

特に印象に残っているのは、受講者に「リーダー10カ条」を書いてもらうというワークでした。過去の自分の上司でもいいし、映画やアニメなどの架空のリーダーでもいいので、そうしたリーダーを参考にしながら、自分自身はどんなリーダーになりたいのか、「リーダー10カ条」を作るというものでしたよね。

受講者は普段そんなことを考えたこともなかったと思います。自分自身のあるべきリーダー像を10項目も抽出するためには、相当な内省が必要となったはずです。結果、みなさん、終わったときには疲労困憊という様子でした(笑)。

このワークがよかったなと思うのは、武智も話していたように、次の研修までの間に自分が作った「リーダー10カ条」を練り直す期間があったことです。職場に戻って、自分の上司の姿を見ながら、「あっ、理想のリーダーになるためにはこういうことも大切だな」と気がついたり……。あのワークに取り組んでいる期間は、自分自身の価値観やあり方・生き方を見つめ直す貴重な時間になったと思います。

それらを通じて、「いいリーダーになる」という日々の姿勢が結果としてメンバーとの信頼感にも繋がるのだと思いました。

これらも全て、西野さんご自身の活きた実体験が元になっているので、大変納得感があったと思います。

研修終了後も受講者がオンライン上に残って、講師にさまざまな質問をしていた

― 企画のお二人にそう言っていただけると大変うれしく思います。受講者のみなさんにとっても満足できる研修になっていたでしょうか。

野中様 はい、とても。今回受講した20名にアンケートを取ったところ、何と全員が「次回も参加したい」と答えてくれました。なので、来年度の実施も企画中です。

受講者は組合の中ではリーダー的な立場にありますが、会社の中ではまだ管理職ではありません。そのためリーダーシップやマネジメントについての体系的な研修を受けたことがない者も多く、だからこそ高い期待感を持って今回の研修に臨んでいました。西野さんの研修は、受講者のその期待感に応える内容になっていたと思います。

毎回研修が終わったあとも、5人ぐらいがそのままオンライン上に残って、西野さんに対して「○○のことについて、西野先生はどんなふうに捉えていますか?」「自分はこういうことで悩んでいるのですが、西野先生も似たような経験はありますか?」といったように、いろいろと質問をしていましたよね。そうした質問の一つひとつに真摯に答えてくださり、感謝しています。

また、この活動を通じて、人生が豊かになっていると思っています。

― 最後に今後の研修計画について教えてください。

武智様 今後労組として伸ばしていきたいのは、ヒアリング力・聞く力です。

組合の支部でリーダーとして活動をしていると、組合員から職場に対する不満や不安、要望、職場で起きている問題などについて相談されることがよくあります。その際に表面的なやりとりで終わらずに、相手が本当のところは何を求めているのか、不満や不安を感じることになった根本的な原因は何なのかといったことについて、ヒアリングを通じて深く掘り下げることができないと、問題解決に結びつけられません。

LIXIL労組が掲げているビジョンの中に「やる気、活気、思いやりがあふれる職場」というのがあるのですが、これを実現するためにも、リーダー層が組合員の心の声にしっかりと耳を傾けられるようになることが大切です。

目下、ヒアリング研修についても、現在実施に向けてご相談させてもらっているところです。

― 本日はお忙しい中、わざわざ時間を割いていただきありがとうございました。

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※取材日時 2021年8月
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