株式会社テレコムスクエアは、海外用携帯電話やWi-Fiルーターのレンタルサービスなどの事業を展開している会社です。同社ではかねてから選抜メンバーの育成に企画提案力研修を実施してこられました。2020年度はこのプログラムや対象を大きく変更し、オンラインで研修を実施しました。

同社人事戦略部門取締役の馬場良浩様、同部門統括マネージャーの松尾一大様、人事戦略部門人事戦略グループの宮﨑あやか様に、今回の研修プログラムに対する思いや、オンラインに対する感想や手応えについてお話を伺いました。

どこででも通用するスキルを社員に身につけさせたかった

― 貴社では2019年までと2020年で研修内容を大きく変えられました。その内容について教えてください。

宮﨑様 二つの点で従来とは異なる研修をマーキュリッチさんにお願いすることにしました。一つはコロナ禍での研修となったため、オンラインでの実施にしたこと。もう一つは受講対象者をマネージャークラスから空港店舗やコンタクトセンターで働いているクルースタッフ(以降クルー)までと大きく広げ、その対象層にそれぞれマッチするプログラムを用意したことです。

具体的には、マネージャー及びアシスタントマネージャー層向けに「マネジメント研修」と「フィードバック研修」、チーフ及びレギュラー層向けに「問題解決力研修」と「セルフプレゼン研修」、クルー向けには「ロジカルプレゼン研修」と「文章力・聴く力研修」を実施しました。

3階層すべてに共通するのは「地頭を鍛え、自ら“奥を考えられる”ようになるトレーニング」として設計していただきました。研修時間は各プログラムとも1回5時間、定員は45名に設定しました。

― なぜ、こうした研修を行うことにされたのですか?

馬場様 当社は海外用携帯電話やWi-Fiルーターのレンタルサービスを主力事業にしていますが、新型コロナウイルス感染症の影響で海外渡航者が激減し経営的には大きな打撃を受けています。レンタルサービスについては、今後も当分苦しい状況が続くことが予想されます。

このような状況下ですが、弊社は大手企業がおこなうような大幅のリストラは実施しませんでした。そんななか当社に求められるのは、これまでの業務の中で培ってきた知識やスキルを活かしながら新たな事業を立ち上げ、市場を開拓していける創造力や実行力を備えた人材を育成することです。そうした人材の存在が、今後会社を新生させていくうえでのカギを握ります。

一方で当社が新生を成し遂げる過程では、一時的に組織を縮小せざるを得ないことも考えられます。中には退職という選択をする社員もでてくるでしょう。その際に当社の責任として、今後どんな会社に転職したとしてもどこででも通用するスキルを身につけさせて社員を送り出したいという気持ちがあります。

ですから今回の研修は、会社に残る社員にとっても、会社から出る選択をする社員にとっても、生きて役立つものにしたいという想いがありました。受講対象者を広げたのも、当社の全社員にそうした力を身につけさせたいと考えたからです。

ヒアリングによって当社の課題意識やニーズを引き出してくれた

― 今回の研修についても、マーキュリッチに依頼したのはなぜですか?

宮﨑様 さきほど述べたような環境下ですから、研修の失敗が許されない状況でした。そこで「単にありもののプログラムを実施するのではなく、弊社の課題を正確に捉えて解決策を展開してくれる会社さん」にお願いしたいと思いマーキュリッチさんにお声がけしました。

研修会社によってはパッケージ化された研修プログラムをそのまま提供しているところもありますが、マーキュリッチさんはそんなことはありません。マーキュリッチさんとは、これまでの研修の中で信頼関係が構築できていましたから、迷うことなく依頼させていただきました。

― 研修プログラムについては、事前にマーキュリッチと御社との間でミーティングの機会を設定し、一緒に練っていきました

宮﨑様 相談を始めた当初、私たちからの要望は非常にざっくりとしたものでした。そんな中でマーキュリッチさんは、ヒアリングによって私たちの課題意識やニーズを上手に引き出してくれ、そのうえで「こんな研修が必要だと思いますが、どうですか?」と提案をしてくださいました。

たとえば私たちは当社のマネージャー層について「もう少し部下との関係をしっかりと築きながら、日々の業務の中で部下に対して適切なフォローができるようになってほしい」と感じていました。そのことをお話ししたところ、部下から信頼されるマネージャーとはどんな存在かを学ぶ「マネジメント研修」と、部下の現状や課題を分析し適切にフィードバックをする力を身につけるための「フィードバック力研修」を提案していただきました。

会社の課題を把握したうえで、それを受講者個人の課題に落とし込んでくれる。こうしたご提案がもらえるのは、これまで弊社とお付き合いいただき深く弊社を理解してもらえていることに加えて、マーキュリッチさんの課題発掘力・問題解決力あってのことだと思っています。単に「カスタマイズしますよ」という方針だけでないクオリティの提案をいただいたと思っています。

オンライン研修も「マーキュリッチなら安心して任せられる」と思った

― 今回の研修は、完全なオンライン研修になりました。実施にあたって不安はありませんでしたか?

宮﨑様 実はそれほど不安はありませんでした。というのも既に当社では、社内講師による新入社員研修をオンラインで行った経験があったからです。外部の研修会社にオンライン研修をお願いするのはマーキュリッチさんが初めてでしたが、「新入社員研修のときもできのだから、今回もたぶん大丈夫だろう」と思っていました。

その「今回もたぶん大丈夫だろう」という思いが「これはできる!」という確信に変わったのは、マーキュリッチさんが人事担当者向けに行った「オンライン研修紹介セミナー」に参加したときでした。

そのセミナーではマーキュリッチさんが実際にどんなふうにオンライン研修を行っているかについての模擬体験ができました。参加者がパソコンの向こう側で疎外感を抱くことがないように、講師が細かく声かけをしてくれたりとか、チャットを効果的に用いたりなど、オンラインの特性を意識しながらセミナーを進めていたので、集中力が最後まで途切れることがありませんでした。「さすがプロだな。これなら安心してお願いできる」と思いました。

馬場様 宮﨑は「できる」と確信していたようですが、私は正直心配でした(笑)確かに新入社員研修もオンラインで行いましたが、あのときは受講者数が8名という少人数での研修でした。一方今回は、私たちが「できるだけ多くの社員に受けさせたい」と無理をお願いしたため、各プログラムの受講者数は45名です。これだけの大人数の研修を「果たして本当にオンラインで十分な学びが得られるのだろうか」という不安は拭いきれませんでした。まあ結果的には、私の心配は杞憂に終わりましたが。

大人数での受講というハンデを感じさせない内容だった

― 実際の研修の様子を見られて、どのような印象を抱かれましたか?

宮﨑様 ブレイクアウトセッションで受講者を小部屋に分けてワークをさせたり、チャットを使って講師と受講者がインタラクティブにやりとりをしたりなど、オンラインに最適化するように工夫していただきました。リアル研修と比較して緊張感・集中力がさがってしまわないように様々な配慮をしていただいていて、さすがプロだなと感じました。大人数での受講になったというハンデをまったく感じさせない内容でした。

研修後に受講者に実施したアンケートの結果も上々でした。今回の研修で学んだことを日々の業務や今後のキャリア形成にどう活かしていきたいかについて、具体的に書き込んでいるものが多く見られました。受講者一人ひとりの課題意識にフォーカスした研修を実施してくださった結果かなと思っています。

松尾様 コンテンツが充実していたのはもちろんのこと、受講者がオンラインだからといってストレスを感じることなく受講できるように、スイッチの切り替えなど細かいところまで目を行き届かせながら研修を進めてくださったことも、受講者の満足度の高さにつながったと思います。

― オンライン研修を成功させるために、運営サイドとして配慮されたことは何かありましたか?

宮﨑様 ペアワークのときの組み合わせについては、工夫を凝らしました。議論が活発になるように、口数が少ない方同士のペアリングは避けるようにしたり、多様な視点からディスカッションができるようにするために、異なる部署に所属している人同士を組み合わせたりするようにしました。

あとは通信環境の問題で、研修中に接続が切れてしまう人が出る可能性を想定して、フォローの電話をかけられる状況を整えました。

研修を講師任せにせず「運営サイドとして、私も一緒に研修を作っているんだ」という思いを持ちながら参加していました。マーキュリッチさんからは、研修を実施する際の設備環境やサポート体制等の注意点について記した「チェックリスト」をいただいていたので、それをもとに事前準備や当日の運営サポートを行うことができました。

オンライン研修のほうがリアル研修より緊張感を持って受講できる部分も

― 今回オンライン研修を実施してみて、オンライン研修のほうが、リアル研修よりもむしろ優れていると感じた部分はありましたか?

宮﨑様 私はオンライン研修のほうがリアル研修よりも、受講者が緊張感を持ちながら研修を受けることができるなと思いました。

普通のリアル研修の場合、受講者はみんな講師のほうを向いて研修を受けていますから、ほかの受講者の様子はわかりません。ところがオンラインだと、画面を通じてほかの受講者がどんな表情で研修を受けているかが一目瞭然でわかります。また同時に自分の表情もほかの受講者に見られています。同期や後輩が真剣な様子で受けているのが見えれば「これは自分も気を抜くことができないな」という気持ちになり、気を抜いている場合ではなくなります。緊張感を持って受講できるぶん、得られるものも大きいのではないかと感じました。

馬場様 オンラインのよいところは、東京や名古屋、福岡など、それぞれ別の場所にいる社員が、空間の制約を超えて同じ場と時間を共有できることです。普通の研修であれば、その日研修を受けた45人なら45人の社員が、後日再び一堂に会するというのは簡単なことではありませんが、オンラインであれば可能です。つまりフォローアップが行いやすくなるわけです。

また当社もリモートワークを導入しており、上司と部下がオンラインでコミュニケーションをとる場面が増えています。社員たちは今回オンラインで研修を受けたことで「こういうチャットの使い方は、自分たちがオンラインでミーティングを行う際にも有効だな」というふうに、実際のリモートワークの現場で活用できる技もたくさん学ぶことができたと思います。これは副次的な効果でした。

― 今回の研修の成果を、組織全体にどのように波及・浸透させていきたいと考えていますか?

宮﨑様 学習意欲の向上という面で、既に波及効果はかなり大きく出てきています。今回の研修では定員オーバーのため、受講を希望していたのに漏れてしまった社員がたくさんいました。そうした社員に対して、さまざまな講座が用意されているオンライン学習サイトを紹介したところ、応募が殺到したのです。きっと同僚が生き生きとした表情で研修を受けている様子を見て「自分もやらなければ!」と火がついたのだと思います。

研修に立ち会っていて思うのですが、マーキュリッチさんにやっていただく研修は表向きにはスキル研修ですが、受講者の成長意欲を刺激し大きく飛躍させるマインド研修の意味合いも相当強いと感じています。

また研修を単発のイベントで終わらせないためには、研修で学んだ内容を日々の業務に活かしてもらうことが大切です。学んだスキルを積極的に活かせる機会をどういうふうに作っていくか、そのスキルを会社全体にどう広げていくかについては、今頭を悩ませているところです。これは私の宿題ですね。

― いろいろと参考になるお話を伺うことができました。ありがとうございました。

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※取材日時 2020年10月
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