弊社代表の西野がシンガポールの情報誌「Asiax」で『シンガポールで実践!英語プレゼン』のテーマで記事を連載しています。サイトを訪問してくださった皆さまに向けて、記事を随時更新していきます。

前回の記事では、「成功する英語プレゼンの準備の仕方」について、プロセスに分解した上で1つずつハードルを越えていこうという話をしました。

今回は、その上でどのように本番に臨むと引き立つプレゼンになるかというテーマです。

『効果的な英語表現』と『話し方』の2つの観点から解説します。

効果的な英語表現

まずは英語表現です。

残念ながら日本人のプレゼンは分かりにくいと世界で評判です。

なぜか?

一言で言うと、論理の筋道やつながりが不明確だから。

意味の切れ目、特にスライドとスライドの間での「つなぎ言葉」が十分でないのが大きな原因です。

とは言っても英語で咄嗟にその場で出てこないもの。ストックを持っておくことが重要です。
以下、パターンに分けてつなぎ表現をご紹介しましょう。

まずは、シンプルバージョンです。

Now, let’s move on to the next topic(では次のテーマに移ります)。
Let’s look at the next side(次のスライドをご覧くさい)等。

少し応用バージョンです。
次のパートを予告するフレーズです。

I will tell you this by 3 points(3つのポイントで説明します)。
There are 2 reasons for that. One is…(理由は2つあります。1つめは・・)。
I would like to say the most important thing now(今から最も重要なポイントを申し上げます)等。

こういった予告をしてから中身(3つのポイントや2つの理由)を言うと聞く方は格段に理解しやすくなります。

また、短めのサマリーを入れるのも効果的です。

In a word,…(一言で言うと・・)。
To sum up here,…(まとめますと・・)等

の表現をスライドの最後に入れ、一旦まとめた上で次のスライドに移るとロジックが伝わりやすくなります。

最後は、少し長いですが使用頻度の高い連結表現です。

That was the whole picture. From now, I will mention the details one by one(以上が全体像です。今から1つ1つ詳細を説明します)。

上記のような幾つかのつなぎ表現を論理の流れに応じて使い分けることをお勧めします。

 ダイナミックな話し方

次は話し方です。

聴衆に目線を配り、重要ポイントを強調して話すとインパクトがあり、ダイナミックなプレゼンになります。

ただし、これは『言うは易し行うは難し』ですよね?

そこで、少しでも楽にできる方法を紹介します。

まずはパワーポイント資料に書く内容と、話す内容を近づけることです。

意外とこれの逆をしている人が多い。

スライドに映し出す資料は写真やイラストが中心で、話す原稿は手元に用意して読んでいる。これでは聴衆を見る余裕もありませんし、聞き手にとっても分かりにくい。スライドには話す言葉を中心に図解してみせ、それを見ながら読み上げるといいでしょう。

もう一つ、スライドを見ながら聴衆にも目線を向けるTipsをご紹介します。

仮に一文を読みながら説明すると仮定します。文の前半はスライドを見て読み上げます。

文の後半を覚えてその際、聴衆に向き直って語りかけるように話すのです。これは実際デモンストレーションしている映像をご確認ください。

強調のコツです。

作成したスライドを改めて眺め、重要だと思うキーワードを目立たせます。色を変えたり、下線を引いたり、文字を大きくするといいでしょう。

その上で、本番ではその「強調ワード」を大きく、ゆっくり読みます。聴衆の前に立つと頭が一杯になり、何を強調するかを忘れてしまうもの。このやり方なら、プレゼンの場面でその目立たせた箇所を見て思い出すことができます。

日本人が特に苦手な『つなぎ表現』と『話し方』。

この2つを押さえると、ガラッと印象が変わり、聴衆を引き込むプレゼンができるようになっていくでしょう。