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【コラム】 プレゼン研修講師の原点となった恩師との再会

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マーキュリッチの西野です。

月日が経つのは速いもので、お盆もあっという間に終わってしまいました。

みなさんはお盆休みをどのように過ごされたでしょうか。

海外旅行に出かけられた方、帰省された方、自宅でのんびりされた方と、
さまざまだと思います。

中には「夏休みはこれから」という方もいらっしゃるでしょう。

今回は、私にプレゼンテーションというものを教えてくれた大学の恩師
との再会についてお話しします。

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【コラム】 プレゼン研修講師の原点となった恩師との再会 
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私はこのお盆休み、生まれてから大学時代までを過ごした大阪に
帰りました。もちろん実家にも戻ったのですが、今年の一番の目的は、
学生時代にお世話になった教授の退官記念パーティに
出席することでした。

私は今でこそ、プレゼンテーションやコミュニケーション研修に関する
仕事をしていますが、学生時代は工学部で材料工学を専攻していました。

つまり今とはまったく畑違いの勉強していたわけです。

その退官した教授(当時は助教授でしたが)にお世話になったのは、
大学4年生から大学院2年生にかけてのことで、私の人間形成に
間違いなく大きな影響を与えくださった方の一人です。

けれども私は先生と、卒業して以来一度もお会いしていませんでした。

私は修士卒なのですが、一般的には技術系の修士課程を出ると、
エンジニアとしてメーカーなどに就職するものです。

事実、同期の中でも私だけがいわゆる文系就職でした。
その負い目もあって、これまでなかなかあいさつに伺うことが
できずにいたのです。

だからこそ退官記念パーティには、何をおいても出席したいと
思っていました。

パーティでは、先生だけではなく、懐かしい昔の仲間たちもたくさん
出会えました。

ほとんどの人が卒業以来の再会だったにも関わらず、会った瞬間から
学生のときの関係に戻ります。

すごく楽しい時間で、酒があまり飲めない私が2次会、3次会と
つきあい、気がつけば夜中の2時になるまで昔の仲間たちと
語り合っていました。

彼らの話を聞いていて勇気づけられたのは、みな自分の仕事に夢や誇りを
抱いていることです。
技術者や研究者が多いのですが、若い頃と同じ情熱を今も持ち続けて
いたのです。

パーティの中でもとりわけ印象深かったのは、やはり1次会での先生の
スピーチでした。その内容は、自分の研究の歩みを振り返るとともに、
後進へのメッセージを伝えたものでした。

「こういった研究をしているのは、世界でもうちだけだ。
私はそのことを大いに誇りに思っているし、みんなももっと
誇りを持ってほしい」

「研究というのは、一人の人間が自分のエネルギーのすべてを注ぎ込んで
取り組んでいくもの。それぐらい大変なものだし、素晴らしいものなんだ」

「みなさんはこれからも研究活動を通じて、世の中をもっともっと
良くしていってほしい。
若いあなたたちが、これからの日本の担い手となってほしい」

真摯さと誇りと夢と情熱が凝縮された感動的なスピーチでした。

先生のスピーチを聴きながら、私は学生時代にはじめて先生の講義を
聴いたときのことを思い出していました。

難解な内容をわかりやすく説明するのがすごく上手で、
しかも情熱的でした。

「大学の授業は難しいものだ」と思い込んでいた私は、
「こんなに腑に落ちる話をしてくれる先生がいるんだ!!」と感動し、
ほとんど一目惚れに近い形で先生の研究室への入室を決めたのです。

振りかえれば、あのとき先生の「わかりやすい講義」を聴いたことが、
今私がプレゼンテーションの講師を務めている原点といえるのかも
しれません。

私は、先生や仲間たちとは、畑違いの分野を進むことになりました。

「けれども分野は違っても、夢や情熱の量は彼らに負けないぐらいに
持っていたい」

「自分は自分の進むべき道を究めるために、これからも精進を
重ねていこう」

先生のスピーチや仲間たちの話を聞ききながら、私はそう自分自身に
いい聞かせていました。

そういうわけで私は今年のお盆休み、魂を揺さぶられる
とても貴重な体験ができました。