from 西野浩輝

昨年末、テレワーク普及率の調査結果がメディアに出ていました。

2020年10月末の時点で約63%とのこと。2020年はじめの調査結果では約24%だったことを考えると、驚くほどの大幅増加ですね。今後もっとテレワークが進化し、定着していくことは間違いありません。

テレワークの普及に伴い、仕事でのコミュニケーションのあり方も大きく変わりました。これまで業務ではそれほど使用していなかった「チャットツール」も、今は必要不可欠なツールになっているのではないでしょうか?

今回は「チャットツール」を使った効果的なコミュニケーションの方策についてお伝えします。

リモート全盛時代の今、職場のチャットで必須のスレッド

現在私が行っている研修で、オンライン商談と並んで多くなっているのがリモートマネジメント。端的に言うと、「リモートワーク下で、いかに効果的にメンバーとチームをマネジメントするか?」という内容です。

その際、受講者から必ずと言っていいほど出てくるのが、「職場のコミュニケーションが減少し、人間関係が希薄になっている」という問題です。

そこで、この問題を少しでも緩和するために、多くの人に使われているツールがチャットです。

ただし、チャットツールを使いこなして職場コミュニケーションの活性化につなげるのは意外と難しく、苦労しているリーダーが少なくありません。

チャットでは有効的なコミュニケーションは意外と難しい?

たとえば、「チャットを使ってコミュニケーションを増やそう!」と促しても、「あまり関係なさすぎることを話すのもな・・・」「そもそも何をそこで話せばいいか・・?」という戸惑いを持つメンバーも多く、思ったよりもコミュニケーションは増えず、問題解決に繋がらないからです。

結局、工夫なくチャットを使おうとしも、「笛吹けど踊らず」という結果に終わります。

そんな悩みを持っている職場リーダーにピッタリの方策をご紹介します。すでにいろいろな職場で実践し始めてもらっており、効果が大きいと評判です。

それはズバリ、「ミニ成果共有」というスレッドを立てて、メンバーにどんどん投稿&レスしてもらうというもの

「ミニ成果共有」スレッドの使い方例

では、そのスレッドでどんなことを話すといいのでしょうか?主には以下の2つ。

(1) 仕事・職場に関するちょっといい話

たとえば、「今日お客さんに良いトークができて、褒められました!」みたいなものがいいでしょう。

(2)ちょっとしたアクション

「〇〇の資料を仕上げました!」などが典型例です。

これくらいなら、スレッドに投稿することが毎日1つや2つ見つかるものです。私が「ミニ成果共有スレッド」をお勧めするのは、一言で言うと「投資対効果」が大きいからです。

投資対効果の大きい理由

まず投資について言えば、投稿の負荷が小さくて済みます。

あくまで「ミニ」成果なので、成果に至る前の「中間生成物」や「小さなアクション」で構わないのです。

さらに、レスの負荷が小さいのも、活用を促進します。

チャットの特徴の1つである、絵文字を使うと感情を表現しやすいし、労力も小さくなり、コミュニケーション量が増えます。

一方、効果のほうはどんなものが期待できるでしょうか?

何と言っても、「心の交流」が起こり、チームの一体感の醸成と人間関係作りに一役買ってくれます。また、同僚の仕事ぶりや取り組み状況が分かるのも大きなメリットです。

それによって、例えば多忙な同僚のサポートに入ったり、必要な情報を提供したり、といったことができるようになるからです。

さらに副次的効果として、メンバーが投稿することによって、改めて「自分が行ったアクション」を確認でき、達成感を感じやすくなります

このように、たった1つの「スレッドを立てる」という行為を戦略的に行うことで、これだけの「投資対効果」を見込めるのですから、やらない理由はない
でしょう。

ぜひ早速取り入れてみてください。

西野浩輝写真マーキュリッチ代表取締役
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。
西野著書写真

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