
いきなりですが、質問です。
どちらでしょうか?
「少しスピーディに話した方がいい」と言う人と、「ゆっくりめに話してあげるべきだ」と言う人の両方が居て、迷う人も多いかと思います。
プレゼンテーションの専門家として、私の答えをお伝えします。
正解は、、、どちらでもない。
肩透かしを食らったような気になったかもしれません。もう少し詳細を話しますね。
早口が良くない理由
ひと言で言うと、聞き手がついて来られないから。
リアルに比べてオンラインでは、音声がクリアでなく、映像も見づらい。言わば、視覚的、聴覚的な制限によって、リアルより伝わる度合が落ちます。
その状況のもと、早口で話すと聞き手はあっという間に置いてきぼりになります。
これでは、大事なことが伝わりません。
では、「ゆっくり」が良くない理由は何なのか?
オンラインでは、臨場感・ライブ感がないが故に聞き手がすぐ退屈してしまうからです。
あなたは放送大学の講義を聞いたことがありますか?よく聞くとためになることを講義してくれているのですが、いかんせんほとんどの先生はゆっくり話しすぎています。
それが故に、あっという間に集中力が切れ、気づいたらウトウトして眠りに落ちることになるのです。
では一体どうすればいいのか?
答えは、「緩急をつける」です。
「ずっと早口」でもなく、「ずっとゆっくり」でもなく、それぞれの良いところ取りをしようということなのです。話す際は「ちょっと大げさかな?」と思うくらいに、大胆に「緩急」のコントラストをつけると効果的です。
バラエティ番組に出てくる芸人さんは相当オーバーアクションですが、それくらいをイメージすると、オンラインではちょうどいいと思います。
とりわけ大事なのが、「緩急」の「緩」パートです。大事なキーワードでスローダウンし、できれば大きめの声で話します。
そうすることで、「その言葉の重要性」が伝わり、ひいてはメッセージが届きやすくなります。それ以外の箇所でスピーディに話すと、聞き手がリズムよく退屈せずに聞くことができます。
以下の例をご覧ください。下線のところを大きく、ゆっくり話します。
重要な箇所では、大きく・ゆっくり話しましょう
そして、最重要な箇所では、繰り返す。繰り返すとさらに効果的です。
オンラインでは、強弱、そして何より緩急を大胆につけるのがポイントなんです。
私の指導経験上、そもそもリアルのときから、9割近くの方は「強弱」と「緩急」が足りていません。
上記の例くらいの頻度で、大きくメリハリをつけて話すと、オンラインのときはもちろん、リアルのミーティングでも伝わり度合が格段に高まります。
「緩急」と「強弱」をつけて話すと、様々なシーンで効果性を高めるので、ぜひ意識して行うことをお勧めします。

西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。
