from 西野浩輝

いきなりですが、質問です。

プレゼンにおいて、話すスピードは速い方がいいのか?ゆっくりな方がいいのか?どちらでしょうか?

どちらでしょうか?

「少しスピーディに話した方がいい」と言う人と、「ゆっくりめに話してあげるべきだ」と言う人の両方が居て、迷う人も多いかと思います。

プレゼンテーションの専門家として、私の答えをお伝えします。

正解は、、、どちらでもない。

肩透かしを食らったような気になったかもしれません。もう少し詳細を話しますね。

早口が良くない理由

まずは、「スピーディに話す」が正解でない理由からお話しします。

ひと言で言うと、聞き手がついて来られないからです。

これはイメージできますよね。

聞き手は、人の話を聞きながらその内容を理解・咀嚼しようとします。早口で話されると内容をしっかり理解する前に、話し手の話がどんどん先に行ってしまい、置いてきぼりになってしまいます。仮にギリギリ理解が追い付いたとしても、「聞く処理」に脳のリソースが全て割かれてしまい、大事なメッセージが聞き手に届きません。

「ゆっくり」が良くない理由

では、「ゆっくり話す」が正解でない理由は何でしょうか?

ゆっくりと話されると、臨場感・ライブ感が失われ、聞き手がすぐ退屈してしまうからです。

あなたは放送大学の講義を聞いたことがありますか?
よく聞くとためになることを講義してくれているのですが、いかんせんほとんどの先生はゆっくり話しすぎています。

それが故に、あっという間に集中力が切れ、気づいたらウトウトして眠りに落ちることになるのです。

では一体どうすればいいのか?

答えは、「緩急をつける」です。

「ずっと早口」でもなく、「ずっとゆっくり」でもなく、それぞれの良いところ取りをしようということなのです。

話す際は「ちょっと大げさかな?」と思うくらいに、大胆に「緩急」のコントラストをつけると効果的です。

バラエティ番組に出てくる芸人さんは相当オーバーに緩急をつけていますが、それくらいをイメージすると、ちょうどいいと思います。

ビジネスシーンで、とりわけ大事なのが「緩急」の「緩」パートです。大事なキーワードでスローダウンし、できれば大きめの声で話します。

そうすることで、「その言葉の重要性」が伝わり、ひいてはメッセージが届きやすくなります。

それ以外の箇所でスピーディに話すと、聞き手がリズムよく退屈せずに聞くことができます。

以下の例をご覧ください。下線のところを大きく、ゆっくり話します。

重要な箇所では、大きく・ゆっくり話しましょう

そして、最重要な箇所では、繰り返す繰り返すさらに効果的です。

私の指導経験上、9割近くの方は「強弱」と「緩急」が足りていません。

上記の例くらいの頻度で、大きくメリハリをつけて話すと、対面でのプレゼン時はもちろん、オンラインのプレゼン時においても伝わり度合が格段に高まります。

「緩急」と「強弱」をつけて話すと、様々なシーンで効果性を高めることができるので、ぜひ意識して行うことをお勧めします。

西野浩輝写真マーキュリッチ代表取締役
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。
西野著書写真

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