企業規模の大小に限らず、昨今の会社組織には「イノベーションの創出」が期待されています。既存のやり方や考え方にとらわれず、新たな技術やビジネスモデルを取り入れながら、自発的に変化していく組織でなければ、市場で生き残っていけないからです。

イノベーションを生み出す組織には、チームの力を活かし、構成員のアイデアを引き出しながら、問題解決を図っていく「ファシリテーション」の能力が欠かせません。しかし、日本では「ファシリテーター=会議の進行役」と認識されているケースが多く、その本質まで深く理解し実践できている方は少数です。

多くの会社組織が必要としている「ファシリテーション」とは何なのか。その本質的な役割や効果的な習得方法について紹介します。

ファシリテーションとは

ファシリテーション(facilitation)とは、会議やミーティングを円滑に進め、新たなアイデア創出や問題解決を促し、全体の相互理解や認識の一致をサポートする手法です。

日本ではしばしば、会議の進行役や司会のことをファシリテーター(ファシリテーションを行う人)と呼びますが、ファシリテーションの本質は単なる進行にとどまりません。

参加メンバーの発言を促しつつ、多様な意見を瞬時に理解・整理しながら、重要なポイントを引き出し、議論を広げ、最後には議論を収束させ合意形成をサポートする。これがファシリテーターの役割です。

ファシリテーションはなぜ重要なのか?

ファシリテーションが重視される理由として、より会議の生産性に対して多くの企業が課題意識を抱いている事が挙げられます。

ファシリテーションが機能していないと、いわゆる「意見が出ない・議論されない・決まらない会議」になってしまいます。参加者が思うように意見を言えないまま、時間ばかり浪費するような会議をいくら続けても、建設的な結果は生まれません。参加者にも不満がたまる一方で、主体的な動きは期待できないでしょう。それでは、グローバル市場で太刀打ちできません。

理想的な会議のゴールとは、参加者のモチベーションが引き出され、各々が自ら考え動き、ともに力を合わせて動ける状態を作ることにあります。そうすることで、結果的に成果が出るまでのスピードが上がり、成果物の質の向上にも繋がるのです。

ファシリ―テーションとは、これからの組織やプロジェクトのリーダーに欠かせない重要なコミュニケーションスキルなのです。

ファシリテーターの具体的な役割とは

ファシリテーションを担うファシリテーターには、集団における外面的なプロセスと内面的なプロセス、双方に対する働きが求められます。

外面的なプロセスとは、会議の流れや段取りといった目に見えてわかりやすいプロセスを指します。一方、内面的なプロセスとは、参加者一人ひとりの思考や感情の動き、メンバー同士の人間関係といった心理的なプロセスを意味します。

ファシリテーションというと、外面的なプロセスに目を向けられがちですが、成果やチームの質を高めるためには、内面的なプロセスへの配慮や働きかけも欠かせません。

つまりファシリテーターは、内面・外面双方のプロセスを意識しながら、会議を進めていく必要があるのです。

ファシリテーションの効果的な習得方法とは

ファシリテーションを組織に導入し、社員に習得してもらうため、多くの企業ではファシリテーションに特化した研修やセミナーを実施しています。

日本の学校教育では、まだまだディベートやディスカッションが少ないため、社会に出るまでにファシリテーションを学んだ経験がない人がほとんどです。そのため、ファシリテーションを効率よく身につけるためには、専門家から体系立てた知識や技術を指導してもらい、現場で実践を重ねていく必要があるのです。

しかし、ファシリテーションの研修を導入しているにも関わらず、会議の質がなかなか改善されないといった声も残念ながらよく耳にします。「なぜファシリテーション研修で会議改革はうまくいかないのか?」別記事に詳細はまとめていますが、原因は以下の2点だと、私達マーキュリッチは考えています。

  • 多くの企業では、そもそもファシリテーターを立てるという文化がない
  • 参加者が変わらなければ、ファシリテーターの孤軍奮闘に終わる

つまり、会議の生産性を高めていくためには、ファシリテーションを文化として会社全体に浸透させる必要があるのです。そのためには、ファシリテーターの育成だけではなく、他の参加者にもファシリテーションのマインドセットや技法を習得してもらう必要があります。

そこで、マーキュリッチの「会議ファシリテーション研修」では、ファシリテーター教育×参加者教育のダブルアプローチを採用しました。会議の議論活性化に必要な3つの要素「役割認識」「ルールとツールの最大活用」「ファシリテーションスキルの向上」を総合的に強化し、マインドとスキル両面から人材を育てていきます。

研修全体の70%が実践演習と個別フィードバックのため、知識を身につけて終わりではなく、日々の会議で各自がPDCAを回せる素地を徹底的に作り上げる。それが、研修のプロであるマーキュリッチがお届けする会議ファシリテーション研修です。

従来のファシリテーション研修に満足しておられない研修担当者様や会議の生産性に課題意識をお持ちの経営者の方は、ぜひお気軽にご相談下さい。

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