新しい人との交流において欠かせないのが、互いの自己紹介です。簡単なように思えて、意外と難しいものです。「自己紹介は苦手」と思っている人も多いのではないでしょうか?

自己紹介が難しい一番の理由は、「何を話すといいかがわからない」というもの。もちろん、名前や職業、出身地などを話すのには普通は苦労しません。ただし、それだけだと味気ない。

何か少し気の利いたことを言って印象的な自己紹介プレゼンにしたいと思ったとたんに困ってしまうというのが本音でしょう。

では、どのようにして「印象的な自己紹介プレゼン」に仕立てることができるのでしょうか?

自己紹介では「ネタ選び」が重要

鍵を握るのが、何と言っても「材料」、つまり「ネタ」選びです。

相応しいネタを見つけるために、自己紹介を大きく2つのタイプに分け、それぞれの目的に応じた選び方と発展のさせ方をお伝えします。

1つ目のタイプは、メリット型自己紹介

「私と付き合うとメリットがありますよ。こんな風に貢献できます」というのをアピールし、聞き手に「この人と関わってみたいな」と思わせるパターンです。

ただし、やや自慢げに聞こえるリスクがあるので「自分を落とすパートやジョーク的なニュアンス」も入れておきたいところです。

以下にトークの例をご紹介します。

「実は私はカメラマニアなんです。10年前にデジタル一眼レフの表現力に魅了され、その瞬間恋に落ちました。

それ以来さまざまな動物やレース、天体などの撮影を行っております。ここだけの話ですが、その辺のプロよりも素敵な写真を撮ることができると自負しております(笑)。

皆さんは、インスタグラムなどで素敵な写真を上げたいと思ったことはありませんか?
もちろん、スマホでも綺麗な写真は撮れますが、やはり一眼レフのような本格的なカメラの方が断然綺麗に撮れるので、お勧めです。

『いやぁ、そんな大掛かりなことは大変すぎて自分には無理』と思うかもしれませんが、それは誤解です。デジタル一眼レフは正しい始め方さえすれば、決して難しいものではありません。

私にご相談いただければ、『カメラは何を買えばいいのか』から『花火の綺麗な一瞬を切り取る』のような特定シーンまでアドバイスできます。ご興味のある方はぜひお声がけください。」

もう一つのタイプが、共感型自己紹介

夢を語ったり、自分の意外な一面を見せることで共感を誘うパターンです。

ただし、夢や意外性といっても大それたものでなくて全く構いません。むしろスケールが小さかったり、ちょっと『ヌケている』くらいの方がチャーミングさが伝わり、親近感を持ってくれやすくなります。

以下にトークの例をご紹介します。

「私は夢がありました。それは、アメリカの大統領になることだったんです。JFケネディとロナルド・レーガンに憧れていたからです。

ところがアメリカの大統領には、アメリカの国籍がないとなれないということを何と20歳になって初めて知りました。正直その時のショックは結構引きずりました。

そんな間抜けなやつです。ぜひ可愛がってください<笑>

・・・・・・・ということなので、よろしくお願い致します」

ネタの洗い出しツール

効果的な自己紹介は、状況や目的によって変わってきます。

それらに合わせて臨機応変に対応できるように、幾つかのネタを持っておきましょう。ネタの洗い出しの際に便利な表を用意しましたので、こちらからダウンロードしてご活用ください。

それぞれのテーマに合わせて、「過去」、「現在」、「未来」で考えていくと出やすいでしょう。

参考までに、上記の例を表に当てはめてみます。上記『カメラマニア』のネタは趣味×(過去+現在)、『アメリカ大統領の夢』は夢×過去、といった感じでしょうか?

ではあなた自身でも、ダウンロードをした表をもとにネタ出ししてみましょう。

自己紹介をする際は、その『場』や『聴衆』との共通点を見つけ、内容に盛り込むと気が利いている良いプレゼンになります。

例えば、プレゼン研修の参加者として自己紹介するなら、「(『夢が大統領になることだった』という話をしたあとに)ただし、プレゼンのスキルはまだまだ大統領級には程遠いので、この機会に勉強してうまくなりたいと思います」と締めるといいでしょう。

ぜひこれらの方法論を参考に、自己紹介プレゼンを仕立ててみてください。

西野浩輝写真マーキュリッチ代表取締役
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。
西野著書写真

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