KDDIラーニング株式会社様は、KDDIグループにおいて教育・研修事業を担っている会社です。2019年、分社化によってKDDI本社の人事部門から独立し、設立されました。

同社の組織が人事部門に属していた2011年度よりマーキュリッチは研修事業に携わっており、2016年度からはロジカルプレゼンテーション研修を同社講師の野村尚義が担当しています。この研修の運営にあたっている研修統括部シニアマネージャーの三浦茂樹様と、研修統括部マネージャーの中島久江様に、研修会社にマーキュリッチを選んだ理由や研修に対する評価、さらにはオンライン形式で実施した2020年度の研修に対するお話を伺いました。

お願いするなら「マーキュリッチしかない」と判断した

― まずは御社の事業概要を教えてください。

中島様 当社は2019年にKDDIの人事部門から分社して設立された新しい会社です。KDDIグループの教育・研修事業を担う会社として、研修事業・教育プラットフォーム事業・施設運営事業の3つの事業を柱にしています。

マーキュリッチさんとのお付き合いはもっと古くて、私たちがKDDI本社の人事部門の一部署であったときから研修をお願いしてきました。2011年から2014年までネゴシエーション研修を。そして2016年から現在まで継続的にロジカルプレゼンテーション研修をお願いしています。

― ロジカルプレゼンテーション研修を実施することになったのはなぜですか。

中島様 弊社にはフィロソフィという「KDDIグループ社員が備えるべき価値観や考え方」があり、それをベースとしたコンピテンシーがあります。コンピテンシーを実現するうえで必要なスキルをもっと細かく洗い出したときに、そのひとつとしてあがってきたのがロジカルに考え伝える力でした。

― ロジカルプレゼンテーション研修を任せる会社としてマーキュリッチを選ばれたのはなぜですか。

中島様 プレゼンテーションの分野においてマーキュリッチが研修会社の中でもナンバーワンだと判断したからです。

実は初回開催の2016年度はトライアルとして、ロジカルプレゼンテーション研修をマーキュリッチ以外にも3、4社ほどお願いして実施してもらいました。その中で比較検討した結果「今後もお願いするならマーキュリッチしかない」という結論に達しました。

フィードバックがわかりやすく、納得感があった

― 他社と比較したとき、マーキュリッチのどんな点が優れていると判断されましたか。

中島様 大きかったのは、講師を務めてくださった野村さん自身のロジカルプレゼン力とフィードバック力が卓越していたことです。

研修の中で受講者に実務上のテーマを5分でまとめてプレゼンをしてもらう場面があるのですが、発表者への野村さんのフィードバックが見事でした。「auショップに対して、成績をもっとあげるための新しい施策を提案する」というテーマで受講者が発表をしました。その内容は施策の特性をきれいにまとめてはいましたが、それを取り入れようという気持ちを動かされるものではありませんでした。

ところが野村さんがその彼へのアドバイスで「私だったらこんな感じで表現するかな」と言って口にした内容が、その施策の本質を突いた見事なキャッチコピーになっていたのです。KDDIグループの企業理念の中に「お客さまの期待を超える感動をお届けする」という文言があるのですが、まさにこれをやって見せられた瞬間でした。あの場面では、研修の見学をしていた私たちのみならず、その場にいた受講者も野村さんの感動レベルのプレゼン力に圧倒されたと思います。

もうひとつマーキュリッチにお願いしようと思った理由として、受講者の発表に対する野村さんのフィードバックが秀逸だったことがあります。曖昧なところがなく根拠を持ったフィードバックで、かつ受け手が受け止めやすい表現で良い点・改善点を指摘してくださる。聞いていて納得感がありましたし、受講者の前向きな姿勢を引き出すフィードバックでした。

受講後のアンケートでもトップクラスの数値

― ロジカルプレゼンテーション研修は、2020年度で5年目になりました。受講者からはどのような評価が得られていますか。

三浦様 実施後に行うアンケートでは、毎回高評価が得られています。2019年度の受講者アンケート結果を見ると、「この研修を同僚にも推薦したいか」という設問では4点満点中3.84。そして「講師の説明・わかりやすさ」では4.00。つまり受講者全員が4と答えました。3.5を越えればよいほうの指標のなかでこれほど高い数値がでるのは、当社でさまざまな研修を実施しているなかでもトップクラスです。

中島様 マーキュリッチの研修は、当グループの社員との相性が良いのではないかと感じています。アンケート結果で「講師の説明・わかりやすさ」が4.00だったことからも明らかなように、野村さんは手順を追ってロジカルかつ丁寧に説明してくれます。KDDIグループの社員の中には、手順を飛ばして説明されてしまうと「あれ? 話のつじつまが合わないぞ」と気づいてしまう人が結構多いのです。それが研修に対する満足度が低下する要因の一つになりがちなのですが、野村さんの研修についてはそうしたことはまったくありません。

三浦様 今回特にオンライン化に伴い何度も打合せやリハーサルをさせていただいて、野村さんの研修に対する姿勢が真剣で誠実だと感じました。ちょっとした発言の端々からも感じ取ることができます。その真剣さや誠実さが受講者にも伝わっていて、それが高評価につながっている側面もあるように感じます。

オンライン研修に最適化したプログラムを作り込んでくれた

― 2020年度の研修は、新型コロナウイルス感染症対策のためにオンラインでの開催になりました。今年度の研修についてはどのような印象を持たれましたか。

三浦様 今年度、弊社では一旦集合で実施する予定であった研修を中止にするのではなく、状況に合わせてオンラインで実施することを選択しました。そこで急遽研修のオンライン化を打診させていただきました。それに対して従来のやり方そのままにオンライン研修としてやるのではなく、オンラインに最適化したプログラムを新たに作り込んで研修を実施していただけました。

具体的には、従来の集合研修では20~30人程度の受講者に対して、1日7時間の研修を2日間実施していました。しかし「オンラインでの研修となると、もう少し細かく人数を分けたほうが良いのではないか」という提案をマーキュリッチからいただき、21人の受講者に対して、初日を半日だけにして全員を対象に研修を実施。その後は受講者を1組7人ずつの3組に分けて、1組につき半日ずつ研修を行っていただきました。また1人あたりの研修時間が短くなる分は、新たに事前課題も用意してもらいました。

中島様 私は今年度の受講者は、非常に得をしたなと感じています。1組7人の少人数での研修となり、受講者全員が野村さんから直接1対1でフィードバックをもらうことができたからです。オンライン研修になったことで研修の質が落ちるどころか、むしろ濃密な内容になったと思います。

空間の制約がないことがオンラインの最大の魅力

― そのほかにオンライン研修ならではの良さを感じた部分はありますか。

三浦様 オンラインの場合、空間の制約がないことが何よりのメリットですね。KDDIグループは全国に事業所があります。これまで地方に勤務している社員は、東京の研修会場まで出張してきて研修を受講していました、職場や家庭の事情などで東京に来ることができず、やむなく受講をあきらめる社員も中にはいたのではないかと思います。しかしオンラインであれば、受講者の場所に関わらず、移動時間もかけずに受講することが可能です。

― 今回はオンライン研修を成功させるために、御社にもさまざまなバックアップをしていただきました。

三浦様 講師や受講者ができるだけストレスなく研修を行える環境を整えることが、私たちの役割だと考えました。オンラインになることで受講者と講師の間に通信ネットワークやPCといったものが入り込みます。それらのトラブルにより学びが妨げられないよう、できる限り通信環境・設備を用意させてもらいました。

通信環境として有線LANを新たに準備しました。併せて講師が受講者のグループワークの様子まで把握できるように大型ディスプレイ・複数のPCなどを準備いたしました。野村さんには事前に当社にお越しいただき、実際の設備を使用した本番を想定したリハーサルをしていただきました。

オンライン研修とリアル研修を併用していきたい

― 今回の研修は新しく完成した貴社施設「LINK FOREST(リンクフォレスト)」で実施しました。

中島様 「LINK FOREST」は、2020年4月1日にオープンした宿泊研修施設です。

「LINK FOREST」は、最大1500人を収容できる大ホールや14の研修室、181室の宿泊室、レストランなどで構成されています。この施設の特徴は、利用される方のコミュニケーションが促進されるような工夫が、館内の随所に施されていることです。

例えば施設の中央には中庭があり、その中庭を囲むようなかたちで研修室や宿泊室が配置されています。設計者の方にその意図を伺ったところ、どの部屋の窓からも中庭を見ることができ、そこにいる人たちの視線が中庭へと集中することで、気持ちが一つになり、仲間意識が作られやすいという効果があるとのことです。また施設内のさまざまな場所に、会話を楽しめるコミュニケーションスペースが設けられています。

― やはりリアル研修の良さも捨てがたいですね。

中島様 今回私たちは、ロジカルプレゼンテーション研修だけでなく、当社が実施しているすべての研修をオンラインでおこないました。その結果、オンラインならではの長所とともに、リアル研修の良さについても再発見できたと思います。

ロジカルプレゼンテーション研修のようなスキル系の研修については、効率性や効果性という点でオンラインとの相性が良いと感じました。一方で内省を深めたり、感情を扱うようなマインド系の研修については、やはり講師と受講者、受講者同士が直接顔を合わせたほうが気持ちを高めていくうえで有効であると実感しました。今後は研修の特性に合わせて、オンライン研修とリアル研修を併用していきたいと考えています。

また「LINK FOREST」に関して言えば、ぜひ多くの会社様にご活用いただきたいと思っております。

― 最後に、マーキュリッチの研修をどのような企業におすすめしますか?

研修を実施することをゴールとするのではなく、研修の「その後」のことに真剣な会社さんにおすすめします。社員の成長に真剣な課題感を持ちその解決に本気の会社さんに、ですね。

当グループでは、業界ナンバーワンに弊社の研修を実施してほしいと考えています。ロジカルプレゼンテーション研修においてはそれが野村さんです。レクチャーがうまい研修はたくさんがありますが、受講者それぞれの課題にきちんとフィードバックしてくれて、どうやって自分たちが変わっていけばよいかを気づかせてくれる研修は決して多くありません。そこの良さがわかる会社さんにおすすめしたいですね。

― ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

※KDDIラーニング株式会社 ホームページ
※取材日時 2020年9月
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