世界100ヶ国以上で事業を展開しているAnker グループ様は、モバイル充電ブランド「Anker」や、オーディオブランド「Soundcore」など複数ブランドを展開するハードウェアメーカーです。今回マーキュリッチは、Ankerグループの日本法人であるアンカー・ジャパン株式会社様に、トップマネジメント層を対象としたプレゼンテーションに関する「エグゼクティブ向け少人数コンサルティング」を提供いたしました。

コンサルタントは西野浩輝が務めました。実際にこのコンサルを受けられたマーケティング本部・本部長の加藤ひと彩様に、コンサルティング導入の狙いや、マーキュリッチがご提供したサービスをどのように評価しているかについて、お話を伺いました。

トップマネジメント層が行うプレゼンの重要性が高まっていた

― 今回、当社の西野がコンサルタントとなり、御社のトップマネジメント層を対象にプレゼンテーションに関する「エグゼクティブ向け少人数コンサルティング」を行いました。御社ではなぜこうしたコンサルティングを受けることにされたのでしょうか。

加藤様 当社では約半年に1回程度の頻度で、主力製品に関するメディア向けカンファレンスを開催しています。会場にはメディア関係者以外に、インフルエンサーや販売代理店などのビジネスパートナーの方々などもお呼びしています。マーケットで強い発信力を持つ方々に向けて、当社の製品の魅力を直接お伝えできる貴重な機会ですので、私たちはこのイベントを以前から重視してきました。

これまでカンファレンスでは、当社の代表取締役 CEOである猿渡歩を中心に1、2名が登壇してプレゼンするというスタイルで行ってきました。けれども会社の成長とともに、みなさまにお伝えしたい内容も増えていき、最近では1回のカンファレンスで3名程度が登壇するようになっています。またこの1、2年で開催会場の規模も拡大しており、前回の開催では約200人の方にお越しいただきました。

このようにカンファレンスの重要度が従来以上に高まってきている中で、お越しくださる皆様に製品の特長や取り組みをより魅力的に訴求できるようになるためには、猿渡はもちろんのこと、登壇経験が少ない者も含めたプレゼン力の全体的な底上げを図る必要があると考え、西野さんにコンサルをお願いすることにしました。具体的には一昨年4月に猿渡及び2名の本部長、昨年の10月には3名の本部長がコンサルを受けました。ちなみに私が参加したのは昨年10月です。

― 2回のコンサルとも、実際に次のカンファレンスで登壇予定の方を対象に、カンファレンス本番の約2週間前に実施しました。

加藤様 何のためにコンサルを受けるのかという目的が見えやすく、またコンサルを通じて学んだことが身についているかどうかをすぐに本番で確認できるという点で、本番直前に実施したのは非常に実践的で良かったと思います。もちろんプレゼン力はジェネラルなスキルですので、今後別の場面でたくさんの聴衆を前に話さなくてはいけない機会があったときにも、当然学んだことを役立てることができます

― 加藤様ご自身は昨年10月にコンサルを受けるまで、カンファレンスでの登壇経験はあったのでしょうか。

加藤様 いえ、ありませんでした。200人前後の前でプレゼンをした経験はあったのですが、カンファレンスのプレゼンは一般的なプレゼンとは少し異なっていまして、大きな画面をバックに、壇上を歩き回りながら身振り手振りを交えてプレゼンをするというスタイルのものです。そうした形で行った経験は、これまでありませんでした。

ですから今回西野さんにコンサルをお願いした内容も、身振り手振りなどの体の動かし方や、声の抑揚のつけ方といったデリバリー面が中心でした。

会場の規模感や聴衆を意識したプレゼンで大切なことを教わった

― 今回のコンサルでは、実施にあたって受講者のみなさまに事前課題の提出をお願いしました。

加藤様 はい。事前課題では、まず「プレゼンに関して自分が苦手だと思っていること」などの項目からなるアンケートがありました。また過去のカンファレンスで使用されたスクリプトを用いて受講者が模擬プレゼンをおこなったものを録画し、マーキュリッチさんに提出しました。西野さんはそれらを参考にしながら、受講者一人ひとりの弱点、強化ポイントを把握したうえで当日のコンサルに臨んでくださいました。

私はアンケートでは、自分の課題として「話すスピードが速い」「間がない」「表情がこわばって見える」などといったことを書きました。一方、事前に私の模擬プレゼンの動画を観られた西野さんからは、「間の取り方に気をつけ、強調すべき部分を声の抑揚や身振り手振りでしっかりと表現できるようになれば、ずいぶん良いプレゼンになりますよ」といったフィードバックを受けました。事前課題に取り組んだことと、西野さんからのフィードバックによって、自分の課題と達成すべきゴールを明確に意識したうえで指導を受けることができました。

当日は、受講者3名が一緒に3時間コンサルを受けました。だいたい座学が2割、実践が8割ぐらいのバランスだったと思います。

― コンサルの内容は、どのようなものでしたか。

加藤様 実践では、受講者がワンセンテンスかツーセンテンス話すごとに、西野さんが「この部分をもう少しこんなふうに意識したうえで、もう1回やってみましょう」というフィードバックをおこない、もう一度同じ部分を話すといったことを繰り返しました。中には20回近く繰り返し話したセンテンスもあったと思います。

西野さんは受講者に対して一度にたくさんの課題の改善を求めるのではなく、例えば「もっと間を意識してみましょう」といった指摘を行い、受講者がそれを改善できたら「今度は『○○で1位です!』のフレーズをもっと強調してみましょう」「次はもっとアクションを大きくしてみましょう」というように、受講者が一つひとつ課題をクリアし、成長の階段を上っていけるようなかたちで指導してくださったと思います。

またコンサルを受けてみて良かったことの一つに、聴衆の人数に合わせた適切な振る舞い方を教えていただけたことがあります。例えば「○○で1位になりました!」という部分を強調して話す際も、聴衆が10人程度しかいない会場では、あまり大げさに振る舞いすぎると不自然になってしまいますが、200人規模の会場では、大きなアクションでしっかりと抑揚をつけて話さないと、会場の一番奥に座っている方にまでは届きません。それを理論として教わるだけではなく、実践を通して指導していただくことができました

― コンサル中の西野の発言の中で、何か印象に残っているものはありますか。

加藤様 プレゼンでは「自分が何を話したいか」ばかりをつい考えがちですが、大切なのは「どういう聴衆なのか、その方々に向けてどうプレゼンを組み立て、どのように振る舞えば、こちらが伝えたいメッセージが伝わるか」という聴衆目線に立つことが大切だという話が印象に残りました。これまでもぼんやりとはそうした事を考えてはいたのですが、改めてはっと気づかされた言葉でした。

一つのステージをクリアしたことでまた新たな課題が見えてきた

― コンサルが終わってからのカンファレンス本番までの2週間は、どのように過ごされましたか。

加藤様 家では猫を飼っているので、平日の帰宅後や休日には猫を聴衆に見立ててプレゼンの練習をしました(笑)。本番ではカンペをずっと見なくても話せるように、スクリプトの内容をある程度暗記しておかなくてはいけませんし、一番重要なスライドが画面に映ったときにステージの真ん中にいられるように、ステージでの移動の仕方も考えてはいけないなど、準備すべきことがたくさんあって大変でした。

― 本番はいかがでしたか。

加藤様 社内の同僚からは、「しっかりと抑揚がつけられていて、思いが伝わるプレゼンになっていた」というフィードバックをいただきました。

ただ私自身としては、70点といったところです。例えば「聴衆の関心を惹きつけるために、大事な話の前にはもっと十分に間を取ること」ですとか、「言葉と身振り手振りがちゃんと合っていて、不自然さを感じさせない」といったことについては、課題が残りました。きっとあるステージの課題を1つクリアすると、また一つ上のステージの課題が見えてくるものなのでしょうね。その課題については、次のプレゼンの機会にぜひ克服したいと思っています。

― 今回コンサルを受けられた加藤様以外の方々は、西野の指導に対してどんな感想を述べておられましたか。

加藤様 「プレゼン時の自分の癖に気づけるなど、自己を客観視できたのが良かった」と話していました。また先ほど話した会場の規模感に応じた適切な振る舞い方など、新たな気づきが多いコンサルだったというのも、共通の感想でした。今後、新たにメディア向けカンファレンスに登壇する社員が出てきたときには、ぜひマーキュリッチさんの少人数コンサルを受けることを推奨したいというのも、受講者3名の一致した意見でした。

ちなみに今回の少人数コンサルはデリバリーを中心としたものでしたが、プレゼン力のさらなる底上げのためには、今後はプレゼンの組み立て・構成に関するブラッシュアップも図っていく必要が出てくると思います。その時にはもしかしたら、またマーキュリッチさんにご相談するかもしれません。

― 本日はお忙しいところありがとうございました。今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

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※取材日時 2024年1月
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