
株式会社JSOL様は、ITコンサルティングからシステム構築、導入、保守・運用までを一貫して手がける総合ITサービス企業です。同社では若手社員を対象にロジカルライティング研修やロジカルプレゼンテーション研修など、ロジカル系の研修を実施しています。HR本部人財開発部人財開発課の福場明子様と別府翔一様に、論理力の育成に力を入れている狙いや、マーキュリッチの研修を依頼された理由、研修内容に対する評価について、お話を伺いました。
付加価値のある提案をするためには論理力が不可欠
JSOL様では入社1年目の社員にロジカルシンキング研修、2年目にロジカルライティング研修、3年目にロジカルプレゼンテーション研修を実施されています。若手社員を対象としたロジカル系の研修にこれだけ力を入れている理由は何でしょうか

福場様 当社では、若手社員であっても早い段階からお客様と接し、課題設定や要件定義といったビジネスの上流工程に関わる機会を積極的に設けています。
こうした実践の積み重ねが、若手社員自身の成長実感や早期育成につながっています。
一方で、ビジネスにおける「書く力」や「伝える力」は、現場での経験のみに委ねると、習得に時間がかかったり、我流に陥ったりしがちです。
JSOLでは、若手の頃からお客様への提案やコミュニケーションに関わる機会が多いからこそ、こうした基礎的なビジネススキルの重要性を強く認識しています。
また当社は、ITコンサルティングからシステム構築までを一貫して提供している中で、お客様に付加価値のある提案ができる人材を必要としています。お客様から課題を相談されたときに、課題を表面的に受け止めるのではなく、その背景にある本質的な問題や、お客様が本来目指すべき姿を自ら考え、お客様が期待する以上の提案ができることが求められます。そのためには社員一人ひとりが、情報を構造化して考え、論点を整理し、筋道を立てて相手に伝える力が不可欠となります。 若手のうちから意識的・体系的に学ぶことで、成長に向けての基盤固めにつながるとの思いから、ロジカル系の研修を実施することにしました。
OSとアプリケーションの考え方に強く惹かれる
今回は、3つの研修のうちロジカルライティング研修とロジカルプレゼンテーション研修をマーキュリッチが担当しました。なぜマーキュリッチに研修を依頼することにされたのでしょうか
福場様 マーキュリッチさんのホームページに書かれていた文章を読んだときに、「この会社であれば、私たちが求めている研修を提供してくれるのではないか」と感じました。ロジカルライティング研修について紹介した文章の中にあった「“論理構成力というOS”のうえに成り立つ“文章力というアプリケーション”」という言葉に、強く惹かれたのです。
マーキュリッチさんのその文章によれば、読み手に伝わらない文章になっているのは、文章マナーや「てにをは」の問題ではなく、また「結論から書く」といったテクニックの問題でもなく、書き手が情報を整理できていない状態で書いているからであるといいます。そのため「論理構成力」というライティングのOSの部分を強化しないことには、「文章力」というアプリケーションの部分だけ磨いても、伝わる文章は書けない。そのためマーキュリッチの研修ではOSの強化を重視する、というものでした。
当社も、ライティングやプレゼンに関する表層的なテクニックのみを学ぶ研修ではなく、その土台となる論理力を鍛える研修を実施したいと考えていました。マーキュリッチさんの研修コンセプトは、私たちが求めているものに合致していました。
またこれは偶然ですが、当社には以前勤めていた会社でマーキュリッチさんに研修をお願いしたことがある社員が在職していました。その社員に相談したところ、「マーキュリッチさんは講師の質が非常に高い」「こちらの要望に柔軟に対応してくれる」とのことでした。であれば一度話を伺ってみようということで、コンタクトを取ることにしました。
別府様 事前の商談には、営業担当者だけでなく、講師の野村さん自身も参加されました。どういった狙いでどのような研修を行うのか、事前課題や研修中のワークはどんなものを考えているのかなどについて、野村さんが自ら説明してくれました。全体像から具体的な内容までイメージすることができたため、安心してマーキュリッチさんに研修を依頼することができました。
ただし唯一不安があったとすれば、これはマーキュリッチさんに限らずどの研修会社に依頼するときも同じなのですが、「研修の早い段階で、講師が受講者の姿勢をぐっと研修へと引き付ける雰囲気づくりができるだろうか」ということでした。どれだけカリキュラムの内容が優れていても、雰囲気づくりに失敗すると、受講者の学習効果も不十分なものになりがちです。特に今回はオンラインでの研修でしたから、場の空気を一つにまとめるのは、オフラインでの研修よりもさらに難しくなることが想定されました。 もちろん商談のときのやりとりから、「野村さんであれば大丈夫だろう」と思ってはいたのですが、それでも不安はありました。
学んだことを実践させるための意識づけ
実際はどうでしたか?

別府様 その心配はすぐに解消されました。研修の冒頭で、野村さんはまず受講者に対して「この研修をより良い時間にするためのルール」を明確に共有しました。
例えば、「オンラインだと反応が見えづらいので、理解したときはしっかりうなずく、わからないときは首をかしげるなど、普段より大きめにリアクションをしてください」、「せっかく時間を取って参加しているので、内職はせず、この場に集中しましょう」
といったように、「なぜそれが必要なのか」まで丁寧に説明されていました。
このようにルールとその背景を最初に共有したことで、受講者全員が同じスタンスで研修に臨むことができ、結果として一体感のある前向きな学びの場が自然と生まれていきました。
さらに印象的だったのは、研修中の細やかなコミュニケーションです。反応が少し薄い参加者に対しても、「今ちょっとうなずきが見えなかったですが、大丈夫ですか?」といった声かけを自然に行い、場の空気が緩むことなく、常にインタラクティブな状態が保たれていました。 こうした工夫により、オンラインであっても受け身にならない、参加者全員が主体的に関わる研修が実現されていました。
研修の内容自体は、受講者にとって学びの多いものになっていましたか?
別府様 はい。「OSの強化」という研修のコンセプト通りの内容でした。単に論理的な文章の書き方やプレゼンの仕方を教えるのではなく、「読み手や聴き手はどんな課題を抱えていて、何を知りたいのか」といった相手のことを意識したうえで論理を組み立てないと、伝わる文章やプレゼンにならないことを繰り返し強調されていました。研修時間の半分以上は、「読み手・聴き手の目的に合わせて論理を整理すること」の説明やトレーニングに充てられていたと思います。
中でも受講者にとっては、MECEの捉え方が印象に残ったようでした。一般的にMECEは、あるテーマを「漏れなくダブりなく整理」することをいいます。ただし、ある物事をどのような切り口で「漏れなくダブりなく整理」すればいいかは、整理を行う目的によって変わってきます。だからこそ「まず目的を明確にしたうえで、最適な切り口を考えていくことが重要である」という説明に、受講者は深く納得している様子でした。
ただし、MECEについての知識をインプットした上で演習に取り組みましたが、実際には多くの受講者がMECEに沿って整理することに苦戦していました。
この体験を通じて、「MECEを理解すること」と「MECEで考えられるようになること」は全く別物であるという点を、受講者自身が実感する機会となりました。
受講後のアンケートでも、「MECEの重要性は理解できたが、現時点ではまだ十分に実践できないと気づいた」「今後の業務の中で意識的に使いながら、継続的に鍛えていきたい」といった声が多く寄せられています。
単なる知識習得にとどまらず、「できないことに気づき、実務での成長につなげる」という実践的な学びが得られた点は、本研修の大きな価値の一つと感じています。
アンケートでこうした感想が多かったのは、研修中に野村さんが「実践の大切さ」を何度も話していたことも大きかったと思います。「みなさんが目指すべきなのは、知識を身につけることではなく、実際にできるようになることです。スポーツジムに一度行ったからといって筋肉がつかないのと同じように、今日の研修だけでロジカルに書く力、伝える力が身につくことはありません。今日学んだことを自分の血肉にできるように、日々の業務の中で実践してください」と語りかけることで、受講者に意識づけをしてくださいました。
また事前課題や研修中のワークの内容が、受講者の実務に即したものであったことも良かったと思います。当社のニーズを踏まえながらワークの題材などを柔軟に調整いただきました。受講者も日々の業務に直接役立つものとして、事前課題やワークに取り組めたのではないかと思います。
マーキュリッチにネゴシエーション研修も依頼
ちなみに御社は今回若手社員を対象としたロジカルライティング研修やロジカルプレゼンテーション研修以外に、マネジメント層を対象としたネゴシエーション研修についてもマーキュリッチに依頼されました。これについてマーキュリッチを選んだ理由は何でしょうか?
別府様 当社に求められているのは、単にお客様の要望通りにものをつくることだけではありません。
JSOLが目指すのは、「今はない、答えを創る。」
お客様がまだ気づいていない潜在的な課題をも見つけ出して、それに対する答えを創出していくため、時には、お客様のビジネスモデルのあり方や業務の進め方にまで踏み込んで新たな価値を提供します。
そこに向けて必要なスキルの一つがネゴシエーションスキルだと考えているのですが、
マーキュリッチのネゴシエーション研修は、単なる交渉テクニックの習得にとどまらず、相手の立場や背景、利害を構造的に捉えながら真の課題や目的を引き出し、双方にとって価値ある合意を設計することを重視されています。
こうした「成果創出を前提としたお互いがWin-Winとなる対話」の考え方は、当社で仕事をする上で重要なコンサルマインドや、クライアント価値創出型の提案力強化と高い親和性があると判断しました。 ネゴシエーション研修についても、非常に質の高い研修を提供してくださったと思います。受講者の実情に即したケースを取り上げながら、ネゴシエーションの考え方・やり方を体系的に説明してくれました。
最後に今後の研修計画について教えてください
別府様 今後もロジカルライティング研修とロジカルプレゼンテーション研修については、同じ体系でマーキュリッチさんに継続してお願いしていく予定です。この研修を、若手社員がコンサルマインドでお客様と向き合うための土台づくりの場にしていきたいと考えています。またネゴシエーション研修についても、引き続きマーキュリッチさんにお願いしていく予定です。
