株式会社大塚商会は、コンピューター・複写機・通信機器・ソフトウエア販売・受託ソフト開発を行うシステムインテグレーション事業とオフィス用品の通販「たのめーる」などのサービス&サポート事業の2つを事業の中核とする東証1部の商社です。

大塚商会のCAD部門は、マーキュリッチの営業研修を導入し営業に意識と行動改革に成果をあげました。今回の研修に関し、マーケティング本部CADプロモーション部戦略推進課の伊丹達治様に導入の経緯と効果についてお話を伺いました。

日本の製造業を支える大塚商会のCAD部門

― 大塚商会CAD部門は、どのようなお仕事をされているのでしょうか。

大塚商会の事業は、コピー機、通信、基幹系ソフト、オフィスサプライ、CADの5つに専門的に分かれています。

CAD部門は、建設業と製造業を中心に三次元CADを販売している部隊です。

大塚商会が開発している用CADのEXPERT-CADを始めに製造業向けには、ダッソーシステムズのCatiaやSolidWorks、オートデスクのAutoCAD、建設業向けには、福井コンピュータのARCHITRENDといった製品の一次店として販売を行っています。また、三次元CADだけではなく、それに付随するハードウェアも販売しております。CAD専門の営業部隊は日本で最大規模、世界規模でもダッソーシステムズやオートデスクから販売成績ナンバーワンの表彰をされた実績があります。

※ 三次元CADとは、3Dで設計できるソフトウェアのことで3DCADとも言われます。

CADプロモーション部は、それぞれのCADの特性と業界にあわせた販売促進を行っております。様々な製品や業界に精通し、常に最新の情報や知識を入手し、それを営業と共有しながら、お客様へも直接アプローチしていく業務を行っています。 

その場限りになりがちだった営業教育の一新を目指す

― マーキュリッチからどのような研修を受けたのでしょうか。

営業力の強化を目的に「テレアポ率向上研修」と「フレームワークヒアリング研修」です。

― マーキュリッチに研修を依頼するきっかけについて教えてください。

CADプロモーション部門では、NLPや経営手法といった様々な研修をCAD部門の営業向けに行ってきました。しかし、「研修がその場限りで定着しない」「営業の数字に結びつかない」といった過去の状況を省みて研修内容を一新することにしました。

大塚商会のCAD部門の営業手法を根本から見直す

― 研修を依頼するにあたり、具体的にどのような課題を解決したかったのでしょうか。

部門長からの課題は、商談の量と質をあげることでした。

まず、最初に取り組みたかったのは、商談件数を増やすこと。
CAD部門のこれまでの営業方法は、飛び込み営業と言われるものでした。飛び込み営業は、その日の予定がなくても会社を出て、足で訪問件数を重ねていました。

しかし、飛び込みで訪問してもお客様に会っただけで、商談ができていないのではないかという疑問がありました。
つまり、訪問件数=商談件数ではなかったのです。営業部員には、お客様からアポイントをいただき、訪問するために体系だったテレコールを身につけさせたいと思いました。

次に取り組みたかったのは、商談から成約までの質をあげて案件を増やすことです。商談の場において、お客様から具体的な課題のヒアリングと提案できる体系化された質問の仕方や考え方を身につけることが必要だと思いました。

営業に無駄な研修で時間を使わせたくない

― 研修を行う会社はたくさんありますが、どのようにしてマーキュリッチを選んだのでしょうか。

初めのTELコール研修をお願いする会社を探すにあたり社内のインサイトビジネス部署や大塚商会スクール講師から紹介をしてもらいました。

「営業+テレコール」で検索したところ見つけたのが、ALL Aboutという情報サイトに載っていたマーキュリッチの西野社長の連載記事です。ホームページを拝見したところ、個人的な付き合いのある安達さんがパートナー講師をされていたので、安達さんを通じて紹介してもらいました。

― 最終的にマーキュリッチに研修を依頼することに決めた選択基準はなんでしょうか。

営業研修に求めたのは、「商談件数を増やす」、「ヒアリングと提案ができる」ことです。

研修会社を選ぶにあたり、営業部員に身にならない研修を受けさせて無駄な時間を使わせたくありませんので、藁にもすがるおもいでした。研修会社を選ぶ過程で3つの会社から、具体的なご提案をいただきました。マーキュリッチに選んだ理由は、3つの基準がありました。

まず、「専門性があること」です。
研修会社の1社は、「何でもできます。おまかせください」といった提案をしてきました。何でもできるというのは専門性が無く、薄く広くといった感じでした。

つぎに「課題が解決できること」です。
商談の量と質を増やすという課題に対し、テレセールスの研修が強みという会社がありました。こちらの会社も商談向きではないと判断しました。

最後に「独自の組み立てができること」です。
マーキュリッチ以外の2社は、自社の研修プログラムを売りたい一心で、営業方法そのものが当社の求めているものとは違いました。

その点、西野社長は弊社の解決したい課題に対して、「これはできますが、こちらはこうしたらどうでしょう?」と提案をしてくれました。課題のヒアリング、それに対する提案の仕方、そのものが、大塚商会の求めている営業スタイルでした。

西野の第一印象は、熱いオトコ

― 代表西野の印象は、いかがでしたでしょうか。

ひと言でいえば、熱い男ですね。

研修講師には、いろいろなタイプがいらっしゃると思いますが、熱く語るタイプの方だなと。会社によっては、クールなタイプの研修講師を好まれる場合もあるかと思いますが、今回は西野社長の営業スタイルと熱さが良かったと思います。

弊社代表の西野による研修風景

点の営業から線の営業へ

― マーキュリッチのテレアポ研修の受講後は、営業はどのように変わったのでしょうか。

効果1.アポイント件数が倍増
研修後の効果測定として、毎月電話をした件数とアポイント獲得数を記録しています。研修後5ヶ月目には研修初月と比較して2.14倍のテレコールと1.21倍のアポイントの獲得ができるようになりました。

効果2. 全員でやるという意識へ変革
テレコールタイムを作る部署が増えたことも大きな変化でした。例えば、午前中の2時間を営業部員全員がテレアポに集中することが仕組みとしてできたことです。みんなが頑張っているから自分も頑張ろう、他の人のうまくいっていることを取り込もう、とにかくコールの件数にこだわろうという意識にがらりと変わりました。

効果3. コールの質が向上
当初、コール数を増やしたいということでお願いした研修ですが、研修前にトークスクリプトを作っておき、研修を通じて学んだことをもとに研修後もブラッシュアップすることで、より精度の高いトークスクリプトが完成しました。また、それまで設計者にしかアプローチできていなかったのですが、責任者、決裁者にアプローチすることで、結果的にアポイントの質もよくなり、提案につながりやすくなったと思います。 

― フレームワークヒアリング研修の受講後の変化は、いかがでしたでしょうか。

テレアポの研修が、営業部員全員を対象にしたのに対し、フレームワークヒアリング の研修は中堅以上の営業部員を対象としました。テレアポ研修と異なり、商談の質をあげることに主眼を置いた研修をお願いしました。この研修では、商談から提案のステージに移行する案件を増やし、成約を増やすことが目的でした。

お客さまへのヒアリングの型、商談の型が身に付いたことで、毎年前年を上回る営業成績となっています。また、フレームワークヒアリングで習った考え方が営業の報告で使われたり、社内業務、個人目標などを作る際に利用されたりと効果が出てきているのを感じます。

お客さまとのお付き合いは、一度きりではなく継続して行われるもの

― 研修をマーキュリッチに依頼したいと考えている企業へおススメコメントをいただけますでしょうか。

イメージしやすい研修でした。研修の内容がその後に生かされる、大塚商会のCAD営業に則した内容でした。

お客様に商品サービスを導入いただくことが終点ではなく、そこから発生する経営課題、業務課題をお客様と解決していくのが大塚商会CAD部門の営業のあり方だと思います。マーキュリッチが今回提供してくれて研修は、お客様と未来永劫つきあっていくにはどうするかを考える内容でした。

左より弊社野村、大塚商会 伊丹様

― 本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

※株式会社大塚商会の3D CAD専門ホームページ CAD Japan 
※取材日時 2016年11月