コネクシオ株式会社様は、携帯電話通信事業者の販売代理店事業などを手がけている伊藤忠商事の子会社でプライム上場企業です。同社では管理職候補の女性社員を対象にしたシリーズ研修として「女性マネージャー育成塾」を実施しており、2021年度はその中でプレゼンテーション研修を実施されました。

社員活躍推進部ダイバーシティ推進課課長の山田薫様と金澤繭子様に、プレゼンテーション研修を実施した狙いや、マーキュリッチが提供した研修への評価・感想についてお話を伺いました。

「熱い思い」に加えて、更に論理的にプレゼンができる力を鍛えたいと考えた

― 御社では、管理職候補の女性社員を対象に「女性マネージャー育成塾」を実施しています。2021年度は、この育成塾の中で「プレゼンテーション研修」を行いました。育成塾とはどのようなものなのか、なぜ今回育成塾のプログラムの中にプレゼンに関する研修を盛り込むことにされたのかについて教えてください。

山田様 女性マネージャー育成塾は、社内の各部門から選抜された10~15人の女性社員が、将来リーダーとして活躍するうえで必要となるマインドや知識、スキルを7ヶ月かけて身につけていくというものです。学ぶ内容としては、キャリアデザインや財務、ロジカルシンキングなどがあります。一連のプログラムの最後には、会社や自部門が抱えているさまざまな課題の中から一つを抽出し、その解決策を経営者層に向けてプレゼンをするという機会が設けられています。

その経営者層向けのプレゼンの様子を見ていると、多くの受講者が熱い思いを持って解決策の提案を行っています。ただ、その熱い思いに加えて、「しっかりと筋道を立てて論理的に話す力をもう少し鍛えられれば、さらに自分の思いが聞き手に伝わるよいプレゼンになるのではないか?」と感じる場面が多くありました。

今後、リーダーやマネージャーになれば、経営者層や他部門の管理職に対してプレゼンをする場面も増えてくることが想定されます。

今までもプレゼンテーションの基礎的なエッセンスを短時間で学ぶという機会は設けていたのですが、抜本的に対策を打ちたいと考えました。そこで受講者がプレゼンを体系的に学べる機会を設定する必要があるのではないかと考え、プレゼンテーション研修を実施することにしました。受講者は、2021年度の育成塾の受講者12名に、昨年度育成塾を卒塾した7名を加えて、計19名での実施となりました。

プレゼンテーション研修の講師をマーキュリッチさんにお願いすることにしたのは、女性マネージャー育成塾でお世話になっている研修会社のライフワークスさんから、「マーキュリッチさんはプレゼンテーション研修を一番の柱としている会社であり、教える内容も講師の教え方も非常にレベルが高い」と伺ったからです。「それならば」ということで、マーキュリッチさんにお声がけしました。

講師のフィードバック力の高さが強く印象に残る

― 実際のマーキュリッチのプレゼンテーション研修の内容は、期待通りのものでしたでしょうか。

山田様 はい、本当にお願いして良かったと思います。

特に印象に残っているのは、講師を務めた西野さんのフィードバック力の高さでした。受講者が行った模擬プレゼンに対して、本質を突いた厳しい指摘をズバッとしてくださいました。

なぜかというと、普通受講者は自分のプレゼンテーションに対して、改善点を講師から指摘されるとへこむものですよね。ところが西野さんから言われると、なぜかみんなへこまないんです。フィードバックを前向きに受け止め、改善に取り組もうとします。

その理由を考えてみると、一つには西野さんが受講者のプレゼンの良い点について最初にしっかりと褒めたうえで、改善点を指摘していることが大きいと思います。またどの部分がどんなふうにできていないかを具体的にフィードバックをしてくださるので、説得力もあります。さらに西野さんは、受講者一人ひとりの心理状態に配慮した言葉の選び方や話し方がとても上手だと感じました。

今回の研修では、実際に受講者が経営者層に対して行うプレゼンの資料を使って、模擬プレゼンが行われました。西野さんには事前に受講者が作成した資料をお送りしていたのですが、西野さんはその資料を相当丹念に読み込んだうえで研修に臨んでくださったと感じました。「このプレゼン資料の中のこの記述は、こういう意味で書かれましたよね? それならこんなふうに表現したほうがいいですよ」といったような、しっかりとプレゼン資料を読み込んでいないとできないフィードバックが多々あったからです。きっと受講者も「西野さんは、私たちのために本気になって取り組んでくれているな」と感じたと思います。

― 受講者は、研修を通じてどんな気づきや学びが得られた様子でしたか。

金澤様 西野さんが研修の中で話していた「日々是プレゼン」というメッセージは、特に多くの受講者の心に響いたようです。「日々是プレゼン」とは、「上司への報告や少人数での打ち合わせなど、日々のビジネスコミュニケーションにおける発言のすべてがプレゼンテーションである。そういう意識で臨むことが、プレゼンスキルの上達につながっていく」という意味ですよね。研修後に受講者に行ったアンケートでも、「私も今後はプレゼンのときだけではなくて、普段から『日々是プレゼン』を意識して話すようにしたい」という記述が多く見られました。

研修後、受講者が学んだことを活用している様子が見られた

― 今回研修を受けたことで、受講者には何か成長や変化は見られましたか。

山田様 先ほども話したように、研修前までは「熱い思い」は感じるけれども、わかりやすく論理的に話す力に課題があるために、もったいないプレゼンになっている受講者がいました。ですが、研修後はかなりの変化が見られたんです。

特にプレゼンの構成法として、サンドイッチフォーマットを学べたのはとても大きかったと思います。研修後は育成塾での発表の場面でも、サンドイッチフォーマットを活用して発表する受講者が増えました。多くの受講者が、自分の思いを論理的にわかりやすく伝えられるようになったと感じます。

金澤様 今回の研修はオンラインで行われたこともあり、オンラインでプレゼンを行う際の表情の作り方や目線の配り方についても、西野さんが自ら実践しながら、受講者にアドバイスをしてくださいました。受講者は西野さんの姿を見て、「表情を豊かに変化させることによって、相手に与える印象がこんなにまったく違ってくるんだ」ということを強く実感したようです。

今年度は、経営者層向けのプレゼンもオンラインで行われました。多くの受講者は、西野さんから学んだ通りに、笑顔を基本に表情にバリエーションをつけながらプレゼンを行っていました。これも大きな変化だと感じています。

直接フィードバックを受けた受講者ほど、研修を高く評価

― 研修後に受講者のみなさんに行ったアンケートの結果を教えてください。

金澤様 受講者には、「理解度」「満足度」「活用度」を5段階で評価してもらったのですが、理解度4.8、満足度4.8、活用度4.9という高評価を得ることができました。

今回は受講者数と研修時間との関係で、西野さんから直接フィードバックを受けることができたのは、時間の関係から半数弱程度でした。

そのため残念ながら個別フィードバックを受けられなかった受講者からは、「私もフィードバックしてもらいたかった」という記述が見られ、研修に対する評価もフィードバックを受けられた受講者と比べると満足度が満点に届かないという結果が出ました。ですからもし受講者数を絞るなどして、全員がフィードバックを受けられるようにしていたら、もっと高評価になっていたと思います。

― 最後に今後の研修計画について教えてください。

山田様 現在、2022年度の女性マネージャー育成塾についての具体的な内容を検討しているところです。プレゼンテーション研修については今年度も実施の予定であり、マーキュリッチさんにお願いできればと考えています。マーキュリッチさんのプレゼンテーション研修の最大の特長は、プレゼンに関する知識やスキルを受講者にインプットして終わりではなく、受講者の行動変容に結びつく研修であることです。今後もよろしくお願いします。

― こちらこそ、本日はありがとうございました。

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※取材日時 2022年4月
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