
『なんでも酒やカクヤス』の運営を含むグループ事業を統括し、物流を軸に受注・配送・決済を一貫して提供する販売プラットフォーム事業を手がける株式会社ひとまいる様では、執行役員と部長職の一部を対象にしたプレゼンテーション研修を実施されました。エグゼクティブ層への研修を行われたねらい、研修を通じて得られた手応え、研修を担当したマーキュリッチに対する評価などについて取締役兼CHROの篠崎淳一郎様、人財創造部部長の尾田直美様、人財創造部DEI・キャリア開発推進課長の金子麻紀様、人財創造部DEI・キャリア開発推進課担当課長の宮本愛様にお話を伺いました。
役員層のプレゼン力強化の必要性が高まる
今回ひとまいる様は、執行役員や部長職の一部を対象にプレゼンテーション研修を実施されました。そのねらいについて教えてください

篠崎様 背景には、役員層がメディアから取材を受ける機会や、ステークホルダーにプレゼンを行う場面が増えていることがあります。
当社はこれまで、店舗などから飲食店や個人宅に酒類を配達するビジネスを手がけてきました。展開している店舗・出荷ステーション数は、首都圏を中心に200拠点近くに及びます。そうした中で、当社は2025年7月に会社名を「カクヤスグループ」から「ひとまいる」に変更。既存事業に加えて、酒類の配達を通じて培ってきた自社の物流網を活かし、他社の荷物も扱う配送プラットフォーム事業に本格参入しました。当社はこれを「第二の創業」と位置づけています。するとこの新しい事業に多くのメディアが注目し、取材の依頼が急増したのです。また、役員層が新規事業についてステークホルダーに説明を行う場面も増えました。
当社の新規事業を多くの方に理解いただき、ビジネスとして軌道に乗せるためには、取材対応時やステークホルダーへの説明時の役員層のプレゼン力がカギを握るといえます。社外取締役からも「役員層のプレゼン力の強化を図るべき」だという指摘を受けていました。そこで執行役員とプレゼンを行う機会の多い部長職の一部を対象としたプレゼンテーション研修を実施することにしました。
執行役員と一部部長職向けにプレゼンテーション研修を実施するにあたって、特に意識されたことはありますか
金子様 今回の研修では、執行役員と部長職の計16人が受講することになりました。彼らはいずれも事業への影響力が非常に大きい立場にあります。そこで若手や中堅社員を対象とした研修以上に、多少コストをかけてでも、実効性の高い研修にしたいと考えました。
さまざまなプランを提示してくれた
研修会社にマーキュリッチを選んだ理由は何でしょう?

金子様 まず大きかったのは、マーキュリッチさんがプレゼンテーション研修を事業の柱としている会社であることでした。一般的にプレゼンテーション研修というと、若手や中堅社員を対象にするケースが多いですが、マーキュリッチさんであれば、執行役員という対象者に合わせた研修を柔軟に設計していただけるのではないかと思いました。またホームページに実際の研修の様子が動画で掲載されており、どのような講師がどんな雰囲気で研修を行うのかを、あらかじめ把握できたことも良かったです。
マーキュリッチさんにお声がけしたときには、研修の具体的な内容や形式について、当社側はまったくのゼロベースの状態でした。どれぐらいの時間をかけて実施すればよいのか、どういった形式で行うのが効果的なのか、明確なイメージを持てていなかったのです。
そうした中、マーキュリッチさんから3つのパターンをご提示いただきました。マンツーマン型、3グループに分けた5人1組型、そして大人数での集合型です。それぞれのパターンで何がどこまでできるのか、どんな効果が期待できるのかをわかりやすく説明していただいたことで、私たちも比較検討がしやすくなりました。マーキュリッチさんとお話ししてからは、他社を検討することは一切ありませんでした。
最終的に選んだのは5人1組、1日7時間の研修です。この形式であれば、研修の中で受講者全員が模擬プレゼンを2回行うことができ、講師や他の受講者からのフィードバックを受ける時間も確保できるということでした。費用対効果と学習効果のバランスを考えたときに、この形式が最適だと判断しました。
尾田様 私は受講者の一人として研修に参加しましたが、5人1組という人数設定は非常に効果的でした。自分自身がプレゼンを行い、講師やほかの受講者からフィードバックを受けることはもちろん貴重でしたが、それ以上に学びになったのは、ほかの受講者のプレゼンを観察し、良い点や課題点を指摘する経験でした。この経験は、プレゼンテーションスキルの向上だけでなく、日常的なコミュニケーションや部下へのフィードバックにも活かせると実感しました。
熱量の高い研修に受講者が引き込まれていった
研修中の受講者の様子について教えてください
金子様 みなさん、とても前向きでした。当初は受講者から「なぜ役員である自分が、今さらプレゼンテーション研修を受けなくてはいけないのか?」という反応が出るのではないかと懸念していました。そこで研修の案内を出す際に、会社として今回の研修に期待していることや、なぜこのタイミングで実施するのかについて、最高人事責任者(CHRO)である篠崎から全受講者に対して発信してもらいました。その効果があったのか、当初の不安は杞憂に終わりました。
宮本様 講師を務めていただいた西野さんが、受講者を引き込む研修をしてくださったことも大きかったと思います。西野さんの説明は非常に具体的で、一人ひとりの個性に合わせたアドバイスをしてくださいました。また、ご自身が大変な熱量を持って講義をされるので、それが受講者の心に響いたのだと思います。
研修時の西野の発言の中で、印象に残っていることはありますか?
篠崎様 「愛」という言葉が出てきたのが印象的でした。当初西野さんには「今回の研修では論理的に話す力を鍛えてほしい」とお願いしていました。当社の社員は、情熱や気持ちで訴えることは得意なのですが、論理的に物事を組み立てて説明することに課題があったからです。西野さんは、私たちの要望に応えて論理的な構成やプレゼンの型をしっかりと教えてくださいました。ただし一方で、「最も大切なのは愛です」とも強調されていました。

尾田様 私も研修を受けていて、「愛」という言葉が印象に残りました。「愛」とは聴衆に対する愛ということだと理解しています。プレゼンは、ただ理路整然と話せばいいわけではない。聴き手の心を揺さぶるプレゼンをするためには、「この人たちのために話そう」という気持ちを持つことが大切だと西野さんは話していました。そのためには聴衆の分析が重要で、相手がどんな人で、何を求めているのかをしっかりと理解する必要があると教わりました。
宮本様 西野さんのこのメッセージは、受講者の心にすっと入ったのではないかと思います。研修後のアンケートの中でも「うまく話すことが一番大事なわけではないという言葉が印象に残り、響きました」という声がありました。論理だけを押しつけるのではなく、「情熱も大切だ」「聴衆への愛が最も重要だ」と言ってくださったことで、受講者は自分たちの強みを否定されたと感じることなく、論理についても素直に学ぶことができたと思います。
フィードバックによって見違えるように改善された受講者の2回目のプレゼン
西野のフィードバックは的確なものでしたか?
金子様 非常に的確でした。私がオブザーブをしていた日は、時間が少し押してしまったため、受講者のプレゼンに対するフィードバックを急ぎ足で進めなくてはいけなくなりました。そんな状況でも西野さんは落ち着いた様子で、受講者一人ひとりに対して、構成の論理性や資料の見せ方、話し方まで、良かった点と改善すべき点を適切に指摘されていました。そのスピード感と正確性に圧倒されました。
宮本様 一人一人に合わせたフィードバックをされていたのが印象的でした。一つのセオリーや型に沿ってアドバイスをするのではなく、その人の個性や状況に応じて、使う言葉や表現、事例を変えていらっしゃいました。表現の引き出しがとても豊かな方だと感じました。
今回の研修では、受講者に2回模擬プレゼンを行ってもらいました。1回目と2回目とでは、受講者のプレゼンに成長や変容は見られましたか?

宮本様 1回目と2回目とでは、見違えるように変わっていました。2回目のプレゼンの前には、10分間ほどプレゼン資料の修正の時間が設けられていました。西野さんやほかの受講者からのフィードバックを受けて、話の構成や話す内容、話し方だけでなく、資料についてもできる限りの修正を加えたうえで2回目に臨んだのですが、改善力の高さに驚いてしまうほど、みなさん上達されていました。フィードバックによって改善のポイントをつかめたということではないかと思います。
尾田様 あの10分間は、限られた時間の中で頭をフル回転させて資料の修正に取り組まなくてはいけなかったため、本当に濃密な時間でした。私が最初に作成したプレゼン資料は、あれもこれもと情報を盛り込みすぎでした。そのため西野さんから「シンプルでいい」「メインメッセージをずらさない」という指摘を受け、削ぎ落とす作業を行いました。おかげで2回目の模擬プレゼンでは自分でも改善を実感できました。
そうしますと今回の研修は、受講者のみなさまからも高い評価を得られるものになったでしょうか
金子様 はい、なっていたと思います。ある受講者からは、まだ研修の途中の休憩時間の時点で、「ぜひほかの部長や課長職にもこの研修を受けさせたい」という声がありました。
篠崎様 今回のプレゼンテーション研修は執行役員と一部の部長を対象に実施しましたが、今後は課長職などほかの階層にも展開していければと考えています。課長職の中でも、プレゼンを行う機会が多い部署の社員のみを対象にするなど、やり方はいろいろとあるでしょう。今後検討を進めていく予定です。本当に必要としている人に、適切なタイミングで受けてもらえる仕組みを作っていきたいですね。 ともあれ、今回はマーキュリッチさんにお願いして本当に良かったと思っています。ありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします
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※取材日時 2025年11月
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