ニッセイ情報テクノロジー

ニッセイ情報テクノロジー株式会社は、日本生命のグループ会社であり、情報システムの構築や運用に関するサービスを事業の柱に据えています。

同社ではこのたび営業職を対象に「ひきつける話し方・マナー研修」を実施されました。この研修で同社が重視されたのは、単に話し方のコツを学ぶだけでなく、相手のコンディションや状況に合わせた効果的な話し方を習得することでした。

今回の研修を企画した業務推進室チーフマネジャーの徳重泰治様と、実際に研修を受講された年金営業本部 営業主任の清嶺地洋介様にお話を伺いました。

お客様と深いレベルの会話ができる営業職を育てたい

― 今回御社では、営業職を対象にした「ひきつける話し方・マナー研修」を実施されました。なぜこの研修を行うことにされたのでしょうか。

徳重様 当社では、保険・共済、年金、医療・介護等の事業者様に対して、情報システムの構築や運用に関するサービスを提供しています。社員の多くをITエンジニアが占めていますが、営業スタッフも100人ほど在籍しており、最近は営業部門に特化した研修にも力を注いでいます。

そんな中で「これはぜひやる必要があるのではないか」と浮かび上がってきたのが、話し方の研修でした。

営業職の場合、提案や交渉、報告や相談など、社内外を問わずお客様や上司に話をしなくてはいけない場面が発生します。ところが当社の営業職は、元々は開発部門で働いてきた者が多く、これまでは話し方に関するトレーニングを体系的に受けてきた経験がありませんでした。

そのため自分が言いたいことをお客様や社内関係者に的確に伝え、理解や納得を得るといったことに課題があると感じていました。

特に私が気になっていたのは、聞き手の理解度や興味関心に合わせて、話の内容や順番を変えることができず、誰に対しても話し方が同じになっていたことです。お客様とより深いレベルの会話ができるようになるためにも、また社員同士の意思疎通を円滑にするためにも、話し方に関する研修を行う必要があると考えました。

日常場面での話し方に軸を置いた研修を提案してくれた

― 研修会社としてマーキュリッチを選ばれたのはどうしてだったのでしょうか。

徳重様 マーキュリッチのことを知ったのは、業務推進室のメンバーが参加した社外研修で講師を務めていたのが野村さんだったことがきっかけでした。そのメンバーが「マーキュリッチの野村さんが良いですよ!」とイチ押しで薦めてきたので「では一度お会いしてみよう」ということになりました。

実際にお目にかかってみて、そのメンバーが熱心に薦めてきた理由がわかりました。

まず大きかったのは、マーキュリッチでは、上司への報告や会議での発言といった日常場面での話し方に意識を向けることが、プレゼンでお客様に提案をするときの話し方の上達にもつながるという考え方をしていることでした。

当社の営業職の場合、大人数の聴衆を前にプレゼンをする機会は、年に数回あるかないかです。ですからプレゼンへの対応を中心にした話し方研修だと、どんなに良い内容の研修だったとしても、使う機会があまりないので忘れてしまいがちです。

そんな中で野村さんは、私たちの課題をきちんと汲み取ってくださり、日常場面での話し方に軸をおいた研修を提案してくださいました。

また私は「せっかく研修を実施するのなら、単発のイベントには終わらせるべきではない」と考えています。

研修は1日だけ実施したらそれで終わりではなく、学んだことを翌日からの仕事に活かせるものでなければ意味がありません。その点野村さんが提案してくださった研修は、研修をターニングポイントとして受講者がその後に自己成長できるための仕組みを提案してくれました。

具体的には、受講者に話し方についての分析力を身につけさせることで、研修後も自分で自分の話し方を分析しながら、その力を伸ばしていくことができるものとなっていました。これであれば安心して研修をお任せできると判断しました。

あとは野村さん自身がシステムエンジニア出身でIT業界のことに精通していて、私たちの仕事で具体的にどんな場面で話す力が必要となるのか、よくご存じだったことも大きかったです。

エンジニアは一般的に、物事を筋道立てて論理的に理解していくことを好む傾向があります。野村さんも非常にロジカルな方ですから、うちの社風に合っていると思いました。

テクニックを身につければ、誰でも話し方が上達することを実感

― 清嶺地様は、今回の「ひきつける話し方・マナー研修」を受講してくださった方のお一人です。なぜ研修を受けてみようと思われたのですか。

清嶺地様 話し方に苦手意識を抱いていたのが一番の理由です。

私は入社以来ずっと開発部門で働いていて、営業部門に移ったのは去年の6月のことです。そして話し方については、開発部門にいたころから「言っていることが分かりにくい」という指摘をよく受けていたため、うまく話せていないことを自覚していました。

とはいえ「ではどうすればうまく話せるようになるのか」とか、「そもそも話がうまいとか、うまくないというのはどういうことなのか」がよくわからずにいました。

ですから今回話し方研修が実施されると聞いて、これはぜひ受けなければと思いました。

― 実際に受けてみてどうでしたか。

清嶺地様 私は以前「話し方がうまいか下手かは、センスの問題が大きいのだろうな」と漠然と思っていました。でも研修を受けてみて「話し方とはテクニックの問題であり、テクニックさえ身につければ、誰でも上達することが可能だ」ということがよくわかりました、

研修では、実際にほかの受講者の前で話をしてみて、フィードバックを受けるロールプレイが2回ほど設定されていました。

1回目のロールプレイでは、すっかり緊張してしまって、話を最後まで終わらせるだけで精一杯でした。けれども自分の言いたいことを相手に的確に伝えるための話の組み立て方や、声の強弱のつけ方などの表現の方法を野村さんから学んだうえで2回目のロールプレイに臨んだところ、周りの受講者から「1回目と比べて見違えるようだ」と言われました。
テクニックを使うだけで、周囲の評価がまったく変わるのだということを実感しました。

あと印象に残ったのは、自己分析の大切さを教わったことです。

誰かに何かを話す機会があったときには、そのときの自分の話し方はどうだったのかを振り返り、良かった点と課題を抽出。そのうえで日々改善を繰り返すことが自己成長につながることを、研修を受けてからは強く意識するようになりました。

また他者からテクニックを盗むことの大切さも学びました。

特に強く心に残ったのは、野村さんが通販番組に登場するMCの方々のボディランゲージのうまさについて話していたことです。受講後にテレビで通販番組が流れていたときには、食い入るように見てしまいました(笑)

実践に活かせる学びや気づきが多く得られた研修だった

― 徳重様は研修中の受講者のみなさんの様子について、どのような印象を持たれましたか。

徳重様 ロールプレイでは「講義を受けただけでこんなにも話し方が変わるものか」という受講者が、他に何人もいました。

1回目のロールプレイでは視線を資料に落としながらぼそぼそと喋っていたような人が、改善点についてフィードバックを受けたうえで2回目に臨むと、きちんと相手の顔を見ながら話ができるようになっている。

話し手からアイコンタクトをされると、聞き手も本腰を入れて話を聞かざるを得なくなります。「相手の顔を見ながら話す」というのは、ほんの小さな工夫ではありますが、その小さな工夫が大きな印象の変化を生むということを、受講者は実感できたと思います。

とはいえ私は、受講者がたった1回の研修でそんなに劇的な成長を遂げることはないと考えています。大切なのは研修中に得た学びや気づきを、日常業務の中に持ち帰って日々実践していくことであり、その中で人は成長していくことができます。

そういう点では今回の研修は、受講者が実践に活かせる学びや気づきを多く得られたものだったと思います。

事実、研修後に受講者に行ったアンケートの「今回の研修は、今後に活かせる内容でしたか」という有用度についての質問項目で、これまで実施してきた研修と比べてもかなり高い結果が出ていました。

今後当社の社員の話し方がどのように変わっていくのか、本当の意味で研修の成果が表れる日を楽しみにしています。

― 本日はどうもありがとうございました。

※ニッセイ情報テクノロジー株式会社のホームページ
※取材年月 2019年7月