from 西野浩輝

リモートワークにおける大きな課題

「リモートワークになり、部下の状況が掴めず困っている」

最近この種の悩みをマネジャーの方から聞くことが増えています。

 

それもそのはずです。

オフィスで毎日顔を合わせたときと違い、今は「部下の顔色を見て状況を推測する」ことがほぼできなくなっているから。

多くのマネジャーは、何とかちょっとでも部下とコミュニケーションを取ろうと苦心しているようです。

このことに関して、先日ある方から聞いた話が衝撃的でした。

何と「部下に1日4回も進捗報告をさせている管理職がいる」と。

 

気持ちはわからなくもないですが、完全に逆効果です。

部下からすると監視されている感覚になり、息抜きが全くできず、ますますストレスが溜まっていきます。
下手をすると精神的に参ってしまうかもしれません。

だからと言って、マネジャーとして部下を放任することは出来ないですよね?
それでなくても、急激な環境変化やコロナ禍の不安から多くのメンバーはストレスを抱えています。

マネジャーが何らかのフォロー策を打つことは、今一番大事な仕事の1つであることは間違いありません。

リモートワークにおけるメンバーのフォロー方法

そこで、私がお勧めするのが職場のメンバー同士での「1on1コーチング」です。

ここでの味噌は、マネジャーがコーチングするのでなく、メンバー間で互いにやる点です。

パッとイメージが湧かないかもしれないので、以下に簡単にやり方を説明しますね。

  1. メンバーを2人組のペアに分ける
  2. 片方がコーチ役になり、もう一方の人の課題や悩みに関して徹底的に聞き出す
  3. 役割を交代して同じことを行う
  4. 終わったら、感想・気づきをマネジャーに報告させる

実は最近当社でも行いました。

これまでもやってきた取り組みではあるのですが、今回ほど効果的だったと感じたことはないほどそのパワーを改めて実感しました。

この「メンバー間コーチング」は、部下の状況を掴むのに有効であるだけでなく、それ以外の効果も大きいのです。

以下に一石三鳥の効果を説明しましょう。

 (1)メンバーのガス抜きになる

リモートワークによって、職場でのちょっとした雑談が激減しています。

多くの社員は、自分の悩みや愚痴を言う機会がほぼない状態になっている。その結果、ストレスを発散する場がなく、ガスが溜まりがちです。

相互コーチングでは、コーチ役はとにかく徹底的に聞き役になってくれます。

話し手にとって、こんなオイシイ機会はまずないわけで、心ゆくまで思いを吐き出すことができます。

しかも、上司には言えないような愚痴も言えてしまう。

そうやって、溜まったガスが抜けると、スッキリして思いのほか元気になるものです。

 (2)メンバーの自己効力感が増して、元気になる

効果は、コーチングをしてもらう方だけにとどまりません。

「する方」にも大きな効果があります。

人は多かれ少なかれ、他人に貢献したいと思っています。人間の根源的欲求と言っていい。

コーチングをして相手が元気になり、相手が喜んでくれると、こっちまで嬉しくなります。

友人の相談に乗ってあげたら、むしろこっちが元気をもらえたという経験があるのではないでしょうか?

人間は、貢献感が増すと、自己効力感が向上し、人生の幸福度が増します。

このことはカリフォルニア大学の研究をはじめ、心理学的にも実証されています。

 (3)マネジャーがメンバーの状況を掴みやすくなる

マネジャーが直接部下に「元気?」と聞いても、なかなか本音を言ってくれないもの。

「大丈夫です」と言ってはいるが、どうも100%本心とは思えない。。。といった経験をした方も多いのではないでしょうか?

その悩みににも、「メンバー間コーチング」は一役買ってくれます。

ペアコーチングが終わった部下に「どうだった?」と聞くといいでしょう。

たとえば「B君ですが、ちょっとプロジェクトが多すぎて精神的にイッパイイッパイのようですよ」などと、重要なことをサラッと言ってくれたりします。

他者を通じて部下の状況を掴めることで、より適切な解決策も見つけやすくなります。

ちなみに、このときに大事なのは、あくまで「さりげなく」という態度で聞くこと。

でないと、部下をチェックしようとする「スパイ的な行為」だと誤解させるリスクがあるからです。

メンバー間コーチングの懸念点と解決策

この「メンバー間コーチング」ですが、懸念点があります。

コーチングスキルがないと、うまく機能しないことが有り得る点です。

例えば、聞き手なのに早々とアドバイスをしてしまうなど・・・

ありそうですよね?

それを避けるために、事前に解説とともにフォーマットを渡し、プロセスに沿ってやらせる工夫が必要です。

もしよければ、我々が使用しているシートをご参考にしてください。

「メンバー間コーチング」が上手く機能すると、メンバー間の関係性が深まり、チームの一体感も向上します。

ぜひすぐにでもやって欲しいと思います。

西野浩輝写真マーキュリッチ代表取締役
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。
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