三井住友信託銀行株式会社様は、銀行業務と信託業務を融合させたソリューションビジネスを展開している国内唯一の専業信託銀行です。同社では10年以上にわたり、グループ会社を含めた全社員を対象とした公募型の「プレゼンテーション研修」にマーキュリッチのプログラムを導入しています。

今回は人事部人材育成チーム主務の吉野様に、なぜ研修会社としてマーキュリッチを選び続けているのか、マーキュリッチの研修をどう評価しているのかについて伺いました。

オブザーブしたときのインパクトが大きかった

― 御社におけるプレゼンテーション研修の位置づけを教えてください。

吉野様 当社では「SuMiTBアカデミー(以降アカデミー)」という全社員を対象とした公募制の研修プログラムを実施しています。アカデミーではロジカルシンキングやビジネスライティングなど、部署や業務を問わず共通に必要とされるビジネススキルを伸ばすことを目的に15種類ほどの研修メニューを設けており、プレゼンテーション研修もその中の一つです。

現在プレゼンテーション研修は初中級コースの「プレゼンテーションⅠ」と上級コースの「プレゼンテーションⅡ」に分けて実施しており、どちらの研修もマーキュリッチさんに依頼しています。

― 貴社は10年以上前からプレゼンテーション研修をマーキュリッチに継続依頼されています。長期間継続されている理由は何でしょうか。

吉野様 アカデミーの研修担当になった以降のことでいえば「最初にマーキュリッチさんの研修をオブザーブしたときの印象が非常に鮮やかだったから」というのがとても大きいです。

マーキュリッチさんは研修の冒頭で、プレゼンテーションの定義として「大勢の前で提案をおこなうときだけがプレゼンではありません。上司への報告やミーティングでの発言など、ビジネスコミュニケーションにおける『話す』という行為の全てがプレゼンです」という話をされます。

最初のオブザーブでその話を伺ったときに「確かにそうだ」と強く納得しました。また、私たち人事部が社員に対して求めていることに合致したメッセージを発信してくれる研修会社だと感じました。

当社は信託銀行として、銀行業務と信託業務の双方でさまざまなサービスや商品を扱っています。お客さまにサービスを提供する際には一つのサービスだけで完結することはなく、多様なサービスを組み合わせてソリューションを提供しています。その際には事業間・部署間での連携がとても大切になります。

ですからお客さまにソリューションの提案をするときはもちろんのこと、社員同士でのやりとりにおいても「自分の考えをわかりやすく相手に伝えられるスキル」が不可欠です。マーキュリッチさんの「日々のビジネスコミュニケーションの全てがプレゼンである」という考え方は、私たちもとても大切だと考えています。

こちらの要望に合わせてカスタマイズをしてくれる

― マーキュリッチに対して特に評価している部分はどんなところでしょうか。

吉野様 当社のニーズに対応してくれるスピードと許容幅ですね。当社の課題に対して本気で向き合ってくれる会社さんだと感じています。

単に要望を聞いて反映してくれるといったレベルではなく「そもそもの根幹課題はどこにあるのか?」「どうすれば付け焼き刃ではなく課題は解決するのか?」について当社の考えを聴いて応じてくれますし、マーキュリッチさんもすごく考えて提案してくれます。パッケージ化された研修メニューを提供する会社さんではなく、課題解決を全うしてくれる会社さんというイメージです。

― 受講者のみなさんはマーキュリッチの研修をどう評価されている様子ですか。

吉野様 受講者からも高い評価が得られています。中には先輩から未受講の後輩へ「この研修は必ず受けるように」という引き継ぎがされている部署もあるようです。

研修の中でも特に好評なのがプレゼンへのフィードバックです。演習では受講者が、普段自分が業務の中で実際に行っているプレゼンのテーマをそのまま使ってプレゼンをしますが、それに対する講師のフィードバックが非常に的確かつ具体的です。

当社と長くお付き合いいただいているので、金融業界のことはもちろん当社の各部署の業務まで把握したフィードバックをくださいます。受講者にとっては学びや気づきが大変多く、かつ習った事をすぐに使える実践的なフィードバックになっています。それが高い満足度につながっていると思います。

中堅やベテランの社員にも気づきの多い研修になっている

― 貴社のプレゼンテーション研修では、毎年若手社員から中堅・ベテラン社員まで幅広い層の方に受講いただいています

吉野様 アカデミーで開催しているほかの研修と比較しても、受講者の層は幅広いですね。ベテラン層の参加も多い背景には、プレゼンという領域では実際にお客さまの前で話したときに相手の反応がダイレクトに返ってくるぶん、年次が上になってからでも「まだまだ磨き上げていく必要があるな」と自分のプレゼン力を見つめ直す機会が多いということがあるのだろうと思います。

マーキュリッチさんの研修では、どういうプレゼンがよいプレゼンなのかを体系的・論理的に説明してくださいます。ですから、経験は豊富だがこれまで何となく感覚的にプレゼンをやってきたベテラン社員でも「そうか、自分がやってきたプレゼンは言葉にするとこういうことなのか」と、言語化をする機会を得ることができます。若手はもちろんのこと、年次が上の社員にとっても学びが多い内容になっていると思います。加えて、年次が上の社員は学んだ事を自身のスキル向上だけでなく、部下・後輩の育成にも活用してくれているようです。

主語を「It」から「You」に変える

― 貴社では基礎コースである「プレゼンテーションI」に加えて、上級コースの「プレゼンテーションⅡ」も開催されています。「Ⅱ」についてはどのような評価をされていますか。

吉野様 まず「Ⅰ」で目指しているのは、伝えたいメッセージを聴き手にわかりやすく・魅力的に話せるようになる力を身につけることですよね。それに対して「Ⅱ」では、聴き手が提案の内容により高い価値を感じるプレゼンができるようになることを目指しています。

これを実現するために、マーキュリッチさんの研修では“プレゼンをするときの主語を「It」から「You」に変える”というアプローチを採用していますよね。プレゼンをしているとどうしても自分たちのサービスや商品の良さをスペックで語りがちです。でもそうではなく、語るときの主語を「You」つまり聴き手自身を主役にして「あなたがいま求めているものは〇〇じゃないですか。それを手にするためには…」という語り方ができれば、聴き手はその提案により高い価値を感じてくれる。研修の中ではそんな話を受講者にしてくださいます。

受講後のアンケートを読んでも、このアプローチは受講者に強いインパクトを与えています。自社のサービスや商品に自信を持っており「このサービスや商品の良さをわかってほしい」という思いの強い社員ほど、スペックで語りがちになってしまいます。「それではお客さまの心を動かせないことに気づいた」といった感想が多いですね。

オンラインでの研修ではさまざまなノウハウを教えてもらえた

― 2020年度の研修は、新型コロナウイルス感染症の影響でオンラインで実施することになりました。オンラインでの研修について不安はありませんでしたか。

吉野様 正直、ありました。今までのように対面で行うか、または研修はもう行わないかの2つの選択肢しかないかと考えたくらいです。ですが、その点は、マーキュリッチさんにかなり助けていただきました。

マーキュリッチさんはオンラインでの研修に関する豊富な知見をお持ちでしたので、運営サイドの注意点や、十分な研修効果を確保するための方法などをいろいろと教えていただきました。マーキュリッチさんからノウハウを伺えたことでアカデミーの他の研修や、さらにはアカデミー以外の研修についても無事オンラインで実施することができました。

― 最後に、マーキュリッチの研修をおすすめするとしたらどんな会社におすすめされますか。

吉野様 組織全体のベクトルを合わせるのに苦労するくらい大きな企業にはマーキュリッチさんは合うと思います。簡単に全体最適ができない状況でも、個々の部門での思惑・意図をしっかり理解してくれたうえで最適な提案をしてくれるからです

― 本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

※取材日時 2021年6月
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