今、世の中ではAI活用が加速度的に広がっています。AIを使えば、文章も構成もスライド案も、ある程度は整えられる時代。ですが、それだけで「伝わる」かといえば、残念ながらそう簡単ではありません。

実際、研修や現場の伴走における指導を通じて感じるのは、「AI時代だからこそ、人間にしかできない伝え方が求められている」ということです。

特に、以下のような力は、今後ますます重要になると実感しています。

  • 共感力 聞き手の立場や状況をありありと想像し、それを元に伝えることで相手に「わかってくれてる」と思わせる力
  • 意味づけの力 「その事実が聞き手にとってどう重要なのか?」を腹落ちさせる力
  • ストーリーテリング力 聞き手の心に響くような物語を語ることで、聞き手を適切な行動に導く力
  • 魂を乗せる力 話し手の体験から来る「深い言葉」を使って語り、聞き手を鼓舞する力

正直言って、これらはまだまだAIでは担えない領域でしょう。

むしろ、AIが情報や言語化を補完してくれるからこそ、人間は「意味づけ」や「共感」の力をより強化すべき時代になったと 言えるのかもしれません。

いわば、「テクノロジー(AI) × ヒューマン」という、伝える力における「二刀流」の時代が到来しているのです。

そんな背景から、当社では、以下の2つの両極の観点でのプレゼン研修を開発し、展開しています

 【1】共感プレゼン研修(ヒューマン観点の強化)

「聞き手の心を動かし、こちらが意図する行動に導く」ことをゴールに設計した実践型研修です。

相手の感情ラインをイメージしながら、共感ポイントを盛り込んだ構成をデザイン。その上で、ストーリーの作り方や 言葉選び、語り方の工夫までを体得していきます。

単なる伝達で終わらせず、共感と共鳴を生み出し、相手を「その気」にさせる設計思考を身につける内容です。

論理的な展開に、「なるほど」と腑に落ちる納得感と「わかってくれてる」と思わせる感情の両方を組み込む。――そんな“伝わるプレゼン”の要点を実践的に習得していきます。

共感プレゼンテーション研修 今、世の中ではAI活用が加速度的に広がっています。AIを使えば、文章も構成もスライド案も、ある程度は整えられる時代。ですが、それだけで「伝わる」かといえば、残念ながらそう簡単ではありません。 実際、研修や現場の伴走における指導を通じて感じる... https://www.mercurich.com/program/presentation/empathy/

【2】AI活用プレゼン研修(テクノロジー観点の強化)

これは前回のコラムでもご案内しました。「AIによる実務改革」の起点をプレゼンから作るをコンセプトに、AIを活用して提案力強化を組織的に取り組むための研修と位置付けています。

▼ 情報のリサーチ ・アイデアの創出 ・顧客視点での課題設定 ・情報の構造化 ・フレーズのブラッシュアップ ・図解・スライド化といった場面における「質」と「効率」の大幅なアップが図れるように設計した、新時代型のプレゼン研修です。

ただ使うだけではなく、「使いこなす」視点で、AIとの共創によるプレゼン力強化を目指しています。

AIを活用したプレゼンテーション研修 今、世の中ではAI活用が加速度的に広がっています。AIを使えば、文章も構成もスライド案も、ある程度は整えられる時代。ですが、それだけで「伝わる」かといえば、残念ながらそう簡単ではありません。 実際、研修や現場の伴走における指導を通じて感じる... https://www.mercurich.com/program/presentation/ai-presentation/

思考も、伝える力も、どちらも“二刀流”の時代。

そしてその先には、「人間ならではの成長戦略」があると、私たちは信じています。

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西野浩輝

「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。

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