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東京電力グループ様は、発電事業や送配電事業、電力・ガス小売事業を展開している日本最大の電力会社です。その事業範囲は国内に留まらず、海外にも積極進出を図っています。東京電力ホールディングス株式会社海外事業室海外業務グループ様では、2020年度よりホールディングスおよび各基幹事業会社の社員を対象に、英語プレゼンテーション研修を実施。

海外業務グループ総括チームリーダーの渡辺高行様に、英語プレゼンテーション研修実施の狙いや、当社が提供している研修プログラムに対する評価などについて、お話を伺いました。

各基幹事業会社からも受講者を選抜して研修を実施

― 東京電力ホールディングス海外事業室海外業務グループ様では、2020年度より英語プレゼンテーション研修を実施しています。まずは御社における海外業務グループ様の役割と、この研修の狙いについて教えてください。

渡辺様 海外業務グループには、海外に駐在・出張する社員の生活や安全などをサポートする業務以外に、海外人財の育成を図るという役割があります。もちろんひと口に海外人財といっても、職務や職位によって必要となるスキルは異なってきますが、海外でビジネスをする際、英語力は誰にとっても必須のスキルとなります。そこで2020年より英語でのプレゼンテーション、ディスカッション、ネゴシエーションの3つの分野において、社員のスキルを高めることを目的に、それぞれ研修を実施することにしました。

― 英語プレゼンテーション研修の受講者は、どのようにして選抜されているのでしょうか。


渡辺様 当社には東京電力パワーグリッド、東京電力エナジーパートナー、東京電力リニューアブルパワー、および東京電力フュエル&パワーの4つの基幹事業会社があります。ホールディングスだけではなく、各基幹事業会社とも連携しつつ毎回10名前後を選抜しています。受講者の英語力については、中級程度までの社員を対象としています。

― 渡辺様は、この研修の受講対象となっている層の英語プレゼン力の現状について、どのように感じておられますか。

渡辺様 例えば、TOEICのスコアが500点以上730点未満となると、中には英語に対して苦手意識を抱いている社員もいます。また、そもそも日本語でのプレゼンに慣れていない社員もいます。そうした社員にとって英語プレゼンは、「英語でコミュニケーションを取るだけでも大変なのに、ましてや英語でプレゼンなんて……」と、とても気が重いものだと思います。

英語に苦手意識を抱いている社員ほど受けさせたい研修

― マーキュリッチが提供してきた英語プレゼンテーション研修は、御社が抱えている課題の解決に資するものになっていると感じておられますか。

渡辺様 はい、感じています。私は2022年7月より海外業務グループに配属になったため、マーキュリッチさんの研修をオブザーブしたのは、今回が初めてでした。正直に言いまして、最初は「1日の研修で、どれぐらいの効果が得られるというのだろう?」という疑問がありました。英語力でいえば1日勉強しただけで、急に伸びるようなものではありませんからね。

ですが、マーキュリッチさんの研修は、「今ある英語力で、英語プレゼンを行うためのスキルを身につけていく」ことを目的としたものであると知って納得しました。講師を務められた西野さんは、研修の中で受講者に「難しい表現をする必要はないし、多少文法が間違っていたとしても大丈夫。しっかりとロジックを組み立てたうえで熱意を持って話せば、今ある英語力でも、必ず相手に伝わるプレゼンになる」と語りかけていました。研修後に受講者に対して行ったアンケートでは、「この話を聞いて楽になった」「英語プレゼンに対する先入観が変わった」といった声が寄せられました。また研修の中のロールプレイで実際に英語プレゼンをやってみて、「今の自分でもできそうだ」という自信を持てた受講者も多かったと思います。

私がオブザーブをしていて感じたのは、「TOEICのスコア如何に関わらず、英語に苦手意識を抱いている人ほど、この研修を早めに受けたほうがいいな」ということです。「自分の英語力でも、評価を勝ち取れるプレゼンができる」「今後もノンネイティブとしての名プレゼンターになることを目指していけばいい」といったことがわかれば、英語プレゼンに対して気後れするようなことがなくなり、積極性が出てきます。するとそのぶん上達も早くなるはずです。

また研修の内容は、英語プレゼンだけではなく、日本語でのプレゼンのときにも役立ちそうなものがたくさんありました。例えば研修の中で「プレゼンではメインメッセージを明確にすることが大事」「イントロ・ボディ・エンディングの3部構成にすると、聞き手に伝わりやすいプレゼンになる」といった話がありましたが、これらは日本語プレゼンでも共通することです。受講者へのアンケートでも「研修で学んだテクニックを、今後は日本語プレゼンのときにもどんどん活用していきたい」という回答がありました。

受講者の「研修後の学習」のことを考えた工夫をしてくれた

― 講師を務めた西野に対しては、どのような感想を抱かれましたか。

渡辺様 西野さんは、まず英語で説明した後に、日本語で補足説明をするというかたちで研修を進めていました。その際には受講者の反応を見ながら、日本語で説明する量を増やしたり、逆に高い英語力を持つ受講者に対してフィードバックをするときには、英語中心で説明したりといったように、受講者一人ひとりの英語力を見極め、それぞれのレベルに合わせた対応をしてくださっていました。ですから研修の内容が難しすぎて脱落する受講者もいなければ、簡単すぎて退屈してしまう受講者もいなかったと思います。

― 研修で行ったワークや活動の中で、印象に残っているものは何かありますか。

渡辺様 受講者同士による相互フィードバックの活動は、非常に効果的だと思いました。これはある受講者が行った英語プレゼンに対して、ほかの受講者が研修の中で学んできた内容を踏まえて、良い点と改善点についてフィードバックをするというものです。フィードバックは、される側にとって気づきをもたらすだけでなく、する側にとっても自分が学んだことの理解を深めるうえで、とても有益だと感じました。

もう一つ印象深かったのは、研修中に自分の英語プレゼンをスマートフォンに録画させていたことでした。録画をしておけば、「自分の英語プレゼンの組み立ては適切だったか」「ポイントを明確に相手に示せたプレゼンになっていたか」「ちゃんと表情豊かに話すことができていたか」といったことを後で何度も見直し、改善に活かすことができます。研修をその場だけのもので終わらせず、研修後に受講者が学んだことを振り返りながら学習するときのことも考えた工夫をしてくださっているなと思いました。

― 海外業務グループ様のほうでも、「研修を研修で終わらせないための工夫」をされたそうですね。

渡辺様 はい。当社の社員の中に、現在アメリカの大学に派遣されている者がいます。その者とのつながりで、今回の英語プレゼンテーション研修の受講者の中から数名を選抜し、同大学の研究者や学生を相手に、当社の最新の事業や取り組みについてのプレゼンを行うという機会を設けさせていただくことができました。

受講者に対しては、研修前の時点でそのことについては伝えていました。ですからみなさん「もしかしたら自分が選抜されるかも」という緊張感を持ちながら、受講されたと思います。そして現実に自分が選抜されたときには、受講者にとってはまたとない貴重な経験となります。このような「研修で学んだことを実践できる場面」を今後も作っていきたいと考えています。

― 最後に今後の英語プレゼンテーション研修の実施計画について教えてください。

渡辺様 2023年度の実施については、現在検討中です。実施することになりましたら、マーキュリッチさんにはぜひ今回同様に質の高い研修プログラムを提供いただければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

― 本日はありがとうございました。

※東京電力ホールディングス株式会社 ホームページ
※取材日時 2023年2月
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