日本を代表する総合酒類会社であるアサヒビール株式会社様は、営業拠点として全国9カ所に統括本部を設置しています。

同社では2022年度、各統括本部内の参謀組織である営業企画部で働いている社員を対象に、ミドル層(課長クラス)向けには「次期リーダー育成研修」と「タイムマネジメント研修」、ライト層(勤務経験が浅い社員)向けには「伝えるスキル向上研修」と「タイムマネジメント研修」を実施。

マーキュリッチが研修を実施し、アサヒビールで営業本部の人材育成を担当している営業本部営業部の渡邉真也様と内崎亜希子様に、本研修を実施した狙いや、マーキュリッチに対する評価について伺いました

社員のコミュニケーションスキルや時間管理スキルの向上を図りたかった

― アサヒビール様ではこのたび、営業企画部の社員を対象とした研修を実施されました。そもそも営業企画部とは、どんな役割を担っている部署なのでしょうか。

渡邉様 当社では全国9カ所に各エリアを統括する営業拠点として統括本部を設けており、統括本部ごとに営業企画部を設置しています。当社とお取引をしているお客さまや当社の商品の売れ方は、地域によって特徴や違いがあります。

営業企画部の役割は、本社が策定した営業戦略を踏まえたうえで、たとえば北海道統括本部であれば北海道の地域特性に合った独自の営業戦略を立て、それをエリア内の支社や支店の社員に伝えていく役割を担っています

― 御社の営業部門の中でも、非常に重要な役割を担っている部署といえますね。今回、営業企画部の社員を対象に、研修を実施した目的はどのような課題認識があったからでしょうか。

渡邉様 社員の現状に対して、大きく二つの課題を実感していたからです。

一つは考える時間の確保です。営業企画部の最大のミッションは、統括エリアの営業課題を発見・分析し、適切な打ち手を講じていくことであり、本来であればその仕事にもっとも多くの時間を投入しなければいけません。ところが営業企画部には、日々営業担当者からさまざまな問い合わせがあり、現状では多くの時間がその対応が割かれています。本来取り組むべき仕事に注力できるように、社員一人ひとりがタイムマネジメントのスキルを身につける必要があると感じていました。

もう一つはコミュニケーションスキルです。営業企画部の社員には、エリア内への営業戦略の浸透を図っていくために、自分よりも役職が上の統括本部長や支社長、支店長クラスから、現場で働く営業担当者まで、日々さまざまな社員とコミュニケーションを取っていくことが求められます。そのため、営業企画部の考えや思いを相手に適切に伝える力、考えや思いを共有したうえで周囲を巻き込んでいく力が、今後ますます必要になると感じていました。

そこで、この二つの課題解決を図るための手立てとして、研修を実施することにしたのです。

ヒアリングを通して当社の課題を整理し、ソリューションを提示してくれた

― 研修会社にマーキュリッチを選んだ理由は何でしょうか。

渡邉様 もう10年以上前のことですが、以前、私が当社の労働組合で専従として働いていたときに、組合主催のタイムマネジメント研修やプレゼンテーション研修の講師をマーキュリッチさんにお願いしたことがありました。その時の研修がとても印象的だったので、マーキュリッチさんに問い合わせました。

スムーズに打合せの場を設定していただき、実際にマーキュリッチさんと話してみて感じたのは、私たちが営業企画部の現状に対してどんな課題感を抱いているかを深く聞き出し、課題解決に結びつく研修にするためにはどうすればいいかを真剣に考えようとしてくれている親身な姿勢でした。

先ほどお話しした二つの課題のうち、タイムマネジメントに関しては、経験年数や職位を問わずどの社員も共通に抱えている課題です。一方、コミュニケーションスキルに関しては、職位によって求めるスキルがやや異なってきます。例えばマネジメント層については、部署内外の年齢も立場も異なるさまざまな人たちを巻き込み、動かしていく力が求められます。これに対して若手や中堅社員については、まずは自分が伝えたいこと・伝えるべきことを、わかりやすく相手に伝えられる力を磨くことが大切になります。

マーキュリッチさんは、そのような「立場によって求められるスキルの違い」を、私たちへのヒアリングを通じて整理し、営業企画部の社員をミドル層とライト層に分け、ミドル層に対しては「次期リーダー育成研修」と「タイムマネジメント研修」を計2日間、ライト層に対しては「伝えるスキル向上研修」と「タイムマネジメント研修」を計2日間実施するという提案をしていただきました。いわばソリューション営業をしてくださったと感じています。

また、マーキュリッチさんの研修プログラムに対する私たちの疑問や質問に対しても、くわしい資料を作成するなどして、丁寧に説明していただけました。「この研修会社であれば、安心してお願いできる」と判断しました

「考え方」と「具体的なやり方」のどちらもわかる研修だった

― 当日の研修内容や、研修の様子についての感想を教えてください。

内崎様 事前打合せのときに、マーキュリッチさんから営業企画部の仕事内容や課題をくわしくヒアリングしていただいたことが、研修本番でも活きたと思います。講義の内容も、受講者が日々直面している課題に即した話題を取り上げながら話していただけましたし、ワークやロールプレイについても、実際の業務場面で起きがちなシーンを設定して行ってくださいました。とても実践的な研修でした。

渡邉様 新入社員から50代のベテラン社員まで、誰が受講しても理解しやすく、必ず何らかの気づきが得られる研修プログラムになっていたと思います。マーキュリッチさんの研修の特長は、例えばタイムマネジメント研修であれば「タイムマネジメントにおいては、これが肝となる」というメッセージがシンプルであり「だからこうしたほうがいい」というやり方も明確に伝えてくれることです。そのために受講者はタイムマネジメントの考え方の本質を掴むことができ、なおかつ明日から具体的に何をやればいいかがわかります

内崎様 私も同感です。今回講師を務めてくださった野村さんは、タイムマネジメントにしても伝えるスキルにしても、やり方について説明をするときには、必ず「なぜそのやり方が有効なのか」という背景まで含めて話してくださっていましたので、受講者にとって、すっと腹落ちできる内容だったと思います。

研修後に受講者から取ったアンケート結果も、非常に高評価が得られました。特にミドル層を対象としたアンケートでは「研修内容に関する理解度」の項目において、5段階評価で「5」が約50%、「4」も約50%を占め、「3」以下の回答は皆無でした。

「研修+ベテラン社員の講話」によって受講者の納得感の向上を図る

― 今回の研修では、ミドル層、ライト層ともに1日目の研修が終わった後に、御社の営業企画部での業務経験が豊富な社員による講話のプログラムを設けました。

渡邉様 はい、当社からの要望で盛り込みました。講師の野村さんが研修の中で話されていたことは、受講者にとってそれだけでも納得感が高いものだったと思います。さらにそれに加えて、当社の営業企画部で業務経験が豊富な社員に、自身のタイムマネジメントやコミュニケーションについての心構えややり方をお話しいただければ「なるほど、今回の研修で習った内容は、うちの会社でも十分に実践できることなんだな」という納得感がより高まるのではないかと考えたのです。ベテラン営業企画部員には、野村さんが研修の中で話していた内容との間に齟齬が生じないように、あらかじめ研修テキストを渡しておき、また研修当日も同席していただきました。「マーキュリッチさんによる研修+社員による講話」という組み合わせは大成功だったと感じています。

― 最後に次年度以降の研修予定について教えてください。

渡邉様 営業企画部の社員を対象とした研修は、次年度も継続実施することが決まっています。もちろん研修会社はマーキュリッチさんに引き続きご相談させていただく予定です。今後は単に研修を実施して終わりではなく、研修後の受講者の行動変容についてのサーベイを行うなどしながら、研修効果の定着を図るための方策についても検討していきたいと考えています。検討の際には、マーキュリッチさんにもいろいろとご相談させてください。

― 本日はどうもありがとうございました。

※アサヒビール株式会社 ホームページ
※取材日時 2022年12月
※当ホームページに掲載されている文章、画像等の無断転載はご遠慮下さい