株式会社タクミナ様は、精密ポンプ製造・販売のリーディングカンパニーとして、「お客様にとことん寄り添い、あらゆる課題に応えること」を大切にしている企業です。同社では2022年度に全営業職を対象にヒアリング研修とプレゼンテーション研修を実施されました。

2023年度には生産部門や間接部門など営業職以外の社員を対象に、同じくヒアリング研修とプレゼンテーション研修を実施されました。いずれもマーキュリッチが研修を担当。

管理本部長の芝田浩実様と、管理本部総務部人材共育課の堀井司様に、研修を実施したねらいや、研修会社にマーキュリッチを選んでいただいた理由などについてお話をうかがいました

「社員それぞれの我流」を卒業し、「ヒアリングやプレゼンの標準化」を図る

― 御社では2022年度に営業職を対象に、ヒアリング研修とプレゼンテーション研修を実施されました。この研修を実施されたねらいを教えてください。

堀井様 ねらいは二つあります。一つはヒアリングやプレゼンの「型」を身につけさせたいと考えたことです。当社ではこれまで体系立てたヒアリング研修やプレゼンテーション研修をおこなったことがなかったため、社員はそれぞれ我流でヒアリングやプレゼンに臨んできました。そしてその各々のやり方が、部下や後輩に個々に受け継がれていたため、社員によってやり方やレベルにだいぶ違いが生じてきていました。そこで研修を通じて営業職全員が「型」を知ることで、標準化を図りたいと考えました。

もう一つは、これはプレゼンに限った話になりますが、この年の4月に人事制度改革をおこなったことへの対応としてです。これまで当社では昇進昇格試験の際に、役員や本部長へのプレゼンと論文提出の二つを課していたのですが、これをこの年度から論文を取りやめプレゼンのみに絞りました。そのぶんプレゼンの重要度が高まったため、しっかりとプレゼンに関する研修をおこなう必要があるだろうと判断しました。

芝田様 当社の営業職には、お客様から課題を引き出し、その課題解決につながる提案をおこなうにあたって、一般的な営業職以上に高度なヒアリングスキルやプレゼンスキルが必要とされていると思います。

といいますのは、当社は精密ポンプやその周辺機器を扱っている企業なのですが、お取引しているお客様の業種は多様ですし、どこにどのような液体を流す精密ポンプを設置したいのかといった製品の用途もお客様によってさまざまです。すると当然お客様のお困りごとやニーズも一社一社異なってきます。営業職には、お客様からお困りごとやニーズをいかにうまく聞き取り、提案に反映させていくかが、商談を成功させるうえでのカギを握ります。そこで研修の実施によって、ヒアリングスキルとプレゼンスキルのさらなる底上げを図ることが不可欠になると考えました。

― この研修では、御社の営業職の方全員に受講いただきました。全営業職を対象に一気に研修を実施した理由は何でしょう。

堀井様 ヒアリングやプレゼンの基本の「型」を、当社の誰もが知っている共通言語にしたいと考えたからです。そのために一般社員だけではなく、管理職にも実施することにしました。当社には全部で約80人程の営業職がいるのですが、スキルがしっかりと身につくように一般社員層2クラスと管理職層1クラスの計3クラスに分けて実施しました。

少しも気を抜くことができない密度の濃い研修だった

― 研修会社にマーキュリッチを選ばれた経緯を教えてください。

芝田様 最初は3社ほどお声がけしたのですが、その中でもかなり早い段階で「マーキュリッチさんにお願いしよう」と決めました。

マーキュリッチさんとの最初の顔合わせになった商談には、研修講師の野村さんも参加してくださいました。研修講師の方とは直前に初めてお会いするケースも多い中で、当社の要望を最初から理解、提案いただき、講師がどんな方なのかをあらかじめ知ることができたのはとてもよかったと思います。

しかもそのときの野村さんの質問の仕方や提案の内容は非常に的を射ており、「ヒアリングやプレゼンのあるべき姿を、まさに野村さん自身が体現している」と感じました。

例えば野村さんは、目的を確認した上で、A案とB案の具体的なメリットとデメリットを挙げたうえで、「どちらがよいと思いますか?」といった問いかけをしてくださったので、こちらも思考を整理したうえで判断することができました。ヒアリングやプレゼンを受ける立場として「とてもやりやすいな」という印象を抱きました。この方であれば、安心して講師をお願いできると判断しました。

― 実際の研修の内容については、どのような感想を持たれましたか。

堀井様 マーキュリッチさんの研修は、ヒアリング研修もプレゼン研修も「講義中心」ではなく、「演習を多く取り入れた実践型」の研修でした。

しかも演習は、単にヒアリングやプレゼンのロールプレイをして終わりではありません。ある受講者がおこなったヒアリングやプレゼンに対して、その良い点と改善点を受講者同士でフィードバックしていくということがおこなわれました。ですから受講者は、自分の場面だけでなく、ほかの受講者のロールプレイの場面も気を抜くことができず、非常に密度の濃い研修になっていたと思います。研修が終わったときには、受講者はみなさんクタクタになっていました(笑)。

芝田様 さらに演習では、受講者がおこなったフィードバックの内容に対して、講師がフィードバックするということもおこなわれました。この講師による「フィードバックへのフィードバック」は非常にレベルが高く、良い点と改善点を多角的かつ具体的に指摘してくださったため、受講者にとって気づきの多いものになったと思います。

「フィードバック力を鍛えることは、つまりは自分や周りの人がおこなったヒアリングやプレゼンを的確に分析する力を鍛えること」を意味します。分析力が高まれば、自分のヒアリングやプレゼンの現状や課題点を把握でき、その後の成長に役立てることができます。ですから、これはとてもよい取り組みだったと思います。

またヒアリング研修では、「心理的抵抗が高い・低い」「思考が深い・低い」という2軸のマトリクスを提示したうえで、相手の心理や思考の状態を踏まえて、どんな順番で質問していけばいいかについてお話しいただきました。これまで私自身考えたこともなかったことだったので、とても新鮮でした。

「型」の共通言語化のためには研修を全社展開する必要があると考えた

― 御社では2022年度に営業職を対象にヒアリング研修とプレゼンテーション研修を実施した後、2023年度には、生産や技術部門や間接部門など営業職以外の社員を対象にヒアリング研修とプレゼンテーション研修を実施されました。このねらいは何でしょうか。

芝田様 先ほど「ヒアリングやプレゼンの基本の『型』を当社の共通言語にしたい」と話しましたが、真に共通言語化するためには、営業職以外の社員にも研修を展開する必要があると考えたからです。社内コミュニケーションの場面でも、営業部門だけでなく、他の部門もマーキュリッチさんのプレゼンテーション研修で学んだサンドイッチフォーマットを用いてやりとりできてこそ、初めて、基本の「型」を社内に浸透できていると思います。とは言え、人間は忘れっぽいのでなかなか定着しないんですけどね。
2023年度の研修では、リーダー層となる30代から50代の社員の中から25人のメンバーに選抜して実施しました。

― 営業職以外の社員にもヒアリング研修やプレゼンテーション研修を実施することは、当初から計画されていたのですか。

芝田様 はい。私自身は2022年に営業職対象に研修をおこなった時点で、「次年度はこれを他部門にも広げたい」と考えていました。そこで2022年度の研修では、生産部門の執行役員に声をかけて見学してもらいました。

その結果、執行役員も「確かにこの研修は良い。生産部門をはじめとした営業職以外の社員にも受講させるだけの意義がある」と判断してくれ、他部門への展開を実現することができました。

― 営業職以外の社員の中には、普段ヒアリングやプレゼンをおこなう機会がほとんどない社員も多くいると思います。そうした社員に対して、前向きに研修に参加してもらうための動機付けはどのようにおこなったのでしょうか。

堀井様 お客様を相手にヒアリングやプレゼンをおこなう機会はまったくない社員でも、社内で同僚から上手に話を聞き出したり、自分の仕事の状況を適切に説明したりといったスキルが求められる場面はきっと日常的にあるはずです。そこで社員には「この研修は、社内コミュニケーション力の強化のために実施します」というメッセージを明確に打ち出すようにしました。

また昇進昇格試験の際に役員や本部長へのプレゼンが必要になるのは、営業職以外の部門の社員も同じです。試験対策としても、受ける意義を感じてくれていたのではないかと思います。

― 最後にこれまで研修を実施してきたことによって得られた手応えと、今後の研修計画について教えてください。

堀井様 「型」の共通言語化という点では、まだ取り組みを始めたばかりですので「これから」というのが正直なところです。ただし営業部門の管理職によっては、プレゼンテーション研修で学んだことを、新入社員や中途入社社員にプレゼン指導をする際に活かしている場面が既に見受けられます。

2023年度の研修では受講対象を絞ったため、営業職以外の社員の中にはまだ研修を受講していない者が数多くいます。また、新卒や中途の社員も今後続々と入社していきます。マーキュリッチさんには、今後もヒアリング研修とプレゼンテーション研修の講師を継続いただき、当社が目指している「ヒアリングやプレゼンの『型』の共通言語化」のお手伝いをお願いできればと思っています。

― 本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

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※取材日時 2023年12月
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