プレゼンテーション研修導入の背景

─ なぜプレゼンテーション研修を導入されたのか、事前にあった課題や背景をお聞かせください。

労働組合の役員は、基本的に、議案・会社の状況を説明することが多いんです。「教える」というよりも、「会社からの情報を間違いなく伝える」ことが、日常の業務の半分以上を占めています。

しかも説明に許される時間は、短く限定されています。相手に心に残るよう インパクトを持って話さなければなりません。
しかし今までは、伝える技術について、お手本になる先生や特別な訓練プログラムがありませんでしたから、プレゼンテーション研修の受講が急務でした。

マーキュリッチを選んだ理由

─ プレゼンテーション研修企業の中から当社をお選びいただいた理由はありますでしょうか。

事前に、ご仲介いただいた㈱ライフワークス様から「聴衆の人数によって求められるスキルが違う」というお話を受けました。

①1対1      コーチング
②1対N(20人)  ファシリテーション
③1対N(100人)  プレゼンテーション
④不特定多数   文章力、見出し力

そして、③の「1対N(100人)」スキルとしてマーキュリッチを推薦いただきました。
その後、自分でも先生の著書を読み、理論的に書かれていた点を評価しました。あとは勘ですね。

─ 導入担当者としての感想はいかがでしたでしょうか。

特に、本研修で得られた大事なことが2点と、感心させられたことが2点ありました。

本研修で得たこと

得られたことの1つめは、「聴衆が覚えられることは3つだ」と言い切ってくれたことです。

労働組合の業務の性質上、会社から得た大量の情報を「正確に」「全て」を伝えることに重きが置かれていました。
結果的に、全てにおいて同じ重要度として、扱ってしまっている部分がありました。

しかし「3つに絞って伝える」と教わったことで、事前に重要性の選別をし、その3つ以外は「資料を読んでもらうよう伝える」というスタイルでよいとわかりました。
「捨てる」という意識が持てた成果は大きいです。

2つめは、コンテンツ(内容)の作成セッションで教わる「聴衆分析のマトリックス」が、非常に簡単で、かつ役に立つアイテムであることです。

今までは「知識があり、興味がある人」向けに資料を作成していました。
「わかりやすく興味を持たせる」という視点が抜けがちだったのです。
しかし、実際は「知識も興味もない」場合の方が多いのが現状です。そのため、今までは伝え方がかみ合っていなかったように思います。

今回、「知識と興味の度合いによって、内容をどのように変えるべきか」ということについて具体的に教えていただいたので、役員と組合員のギャップ対策が整理できました。

本研修で感心したこと

感心させられた点の1つめは、講師の説明が細かいところです。

特に弊社の社員には向いている感じました。当社は理系の人間が多いので、微妙な細かい ところを、論理的に数字で表現してくれてスタイルは、納得度が高いようです。

特に研究所の人間には、この細かさは受け入れやすいのではないでしょうか。

2つめはまた、随所の織り込まれた「例えの適切さ」です。

「プレゼンテーションの上手さは場数に比例しない」というお話のところで、「あなたの大学の教授は上手かったですか」と尋ねられ、「確かに!」と納得させられました。

─ 事前にイメージしていた研修の目的と一致が感じられましたか。

事前に西野講師のお写真を拝見し「この先生はすごそう!」という印象を受けました。
実際自分が受講してみても同じ感想、むしろ予想以上でした。

今後の展開について

─ 今後の展開で、予定されていることはありますでしょうか?

今後は、研修の中で鍛えられたフィードバックを組織内で定着としていけたらいいなと考えています。

通常、フィードバックというと、内容の指摘になりがちです。「あれは正確だった」 「あの部分は言っては言ってはいけなかった」というような。
しかし、研修で実践するフィードバックは「どのように表現したか」に絞ってコメントするため、我々が弱かった部分がより強化できると思います。

組合役員はプレゼンテーションを実践する機会が本当に多いので、フィードバック文化が根付けば、向上の速度が速いと考えています。

また、来年度を含めてプレゼン研修を今後強化したいと考えています。
先ほどお話したとおり、労働組合の役員には、「伝える」という業務が半分以上を占めています。それができないと役員が務まらない。

当組合ではコーチングやファシリテーションの研修も行っていますが、この2つは双方向性が強く、より高度なスキルを要します。プレゼンテーションを、一番先に身に着けるべきスキルだと考えています。

役員一人ひとりの能力開発を強化することで、活動の効果をあげるたけでなく、組合役員が職場に復帰した後も「あの人はすごい」と評価されるような人物に成長させたいです。

― 本日は貴重なお話、ありがとうございました。