受講者の成長を引き上げる「研修日誌」

from 西野浩輝 メモをとる人は成長が速い 研修中の受講者の中には、メモをよくとる人と、あまりとらない人がいます。 私が13年間、研修講師を務めてきた経験でいうと、メモをよくとる人のほうが、研修で学んだことを自らの血肉・・・

021801-top

from 西野浩輝

メモをとる人は成長が速い

研修中の受講者の中には、メモをよくとる人と、あまりとらない人がいます。

私が13年間、研修講師を務めてきた経験でいうと、メモをよくとる人のほうが、研修で学んだことを自らの血肉にして大きな成長を遂げる人が圧倒的に多いと感じます。

人はメモをとるとき、相手が話していることを一言一句書き写すことはできません。

相手の話の中から、自分にとって重要だと思われることをキーワードとして抜き出して、テキストの余白やノートに書き込みます。

キーワードを書き込んでいくときには、相手の話に耳を傾けながら、「この講師が言っていることは、つまりこういうことかな?」と、自分なりの言葉に置き換えて解釈したり、「この話は、自分の仕事の現場ではこんなふうに使えそうだな」と、講師が述べている理論を自分の現場につなげようとしたり、等々の高度な思考作業が必要になります。

つまりメモをとろうとすることによって、研修に向き合う姿勢や、学ぶ密度の濃さが大きく違ってくるわけです。

さらには研修後のテキストやノートには、自分にとって重要なキーワードがぎっしりと書き込まれていますから、これを読み返すことで、成長へと結びつけることが可能になります。

メモをとるという行為は、単なる備忘録以上の効果があるのです。

ですから私も研修中にメモをとる受講生が少ないときには、「もっとメモをとりましょう」と呼びかけることがよくあります。

研修日誌が、より多くの受講者の成長を促進させる

実は受講者の成長を促進させるうえで、メモと同様以上の効果が期待できるのが、研修日誌を書いてもらうことです。

実際に当社のクライアント企業の中にも、研修日誌を導入しているところがあります。

その会社では2日間研修の際、受講者全員に1日目の研修が終わった後に、その日学んだことや気づいたことをA4の紙1枚に書かせ、2日目の研修が始まる前に提出してもらっています。

受講者に自主的にメモをとることを促した場合、どうしても、とる人ととらない人の個人差が出てきます。

ただし、研修日誌の場合は提出が義務づけられていますから、「書かなければ」という意識が全員に働きます。

すると受講者は研修日誌を書くために、1日目に学んだ内容を一生懸命思い返そうとします

そうすることで、今回の研修のポイントを頭の中で整理できるだけでなく、新しい問題意識が生まれ、「もう少しこういうことが知りたい」という疑問が生じたりもするわけです。

ですから研修日誌を書いてもらったうえで2日目に臨むと、1日目とは受講者の態度も成長の度合いも、明らかに違ってくると感じます。

また鋭い質問も増えてきます。

「今話されていたスキルは、こういう場面ではうまく適用できないと思うのですが、どうすればいいのですか?」といったように、講師の話の内容を自分の仕事に結びつけながら考えているからこそできる質問が出てくるようになったりします。

そして私自身も、あらかじめ研修日誌に目を通したうえで2日目の研修に臨めますから、受講者のニーズや問題意識により合致した研修内容にすることができます。

研修日誌といっても、そんなに凝ったものをつくる必要はありません。
A4サイズの紙に、少しピッチを広めにとった罫線を引いたものを用意すれば十分です。

人は罫線があると、そこに文字を埋めなければという意識が働いて、できるだけぎっしり書こうとするものです。

受講者に研修日誌を書かせることは、研修効果をより大きなものにさせ、より多くの受講者の成長を促進させます。

ぜひみなさんの会社でも、研修日誌の導入をお勧めします。

このページの先頭へ