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from 西野浩輝

皆さんはテレビショッピングを利用したことがありますか?「ノー」と答えた人でも一度や二度は、その手の番組を見たことがあるのではないでしょうか。

テンポよく語り掛ける口調と、「へぇ~」・「お~」なんていうリアクションの音声が流れると、その商品が欲しくなったりしますよね。おまけに「限定〇〇〇セット!」なんて叫ばれると、急いで電話しなくちゃって気にさせられます。

テレビショッピングの販売戦略

テレビショッピングは、非常に研究された手法で商品を売りさばいています。喋るトーンや間の取り方、ミラーリング効果を狙った音響効果や限定個数による煽り等、本当に良く計算されています。

番組の導入においても、時事ネタや季節ネタを上手く使って売りたい商品に話をつなげているので、計算しつくされているなと感心してしまうほどです。

例えば急に冷え込んだ日に、生放送の番組で次のように毛布の宣伝をしていました。「今朝はびっくりするくらい寒かったですね~。皆さんはお布団から直ぐに出られましたか?出たくないですよね~。そうなんです!ついにお布団から出るのが嫌になってしまう季節がやって来ました。そこで、今日ご紹介するのは・・・。」こんな風に語りかけられたら、ついつい聞いてしまいますよね。

営業の勉強教材として、価値の高い番組だと思います。

お客様は物を買うのではない、感動を買うのです

さて、テレビショッピングで行われている数々のセールス戦略の中で、一番重要なことがあります。

それは、商品の機能説明ではありません。商品を使ったらどうなるかという効果を見せるのです。

その結果、お客様の頭の中で実際にその商品を使ったイメージが膨らみ、感動している姿が想像できるのです。そう、人は感動を買うのです。

営業の勉強をすると、「ドリルを買うのではない。ドリルが開けた穴を買うのだ」というテキストに触れたことがあるかもしれません。このテキストを補足すると、「ドリルを使って、自分が思う通りの完璧な穴を開けられる感動を買っている」ということです。

その最たるものが、TDLやUSJではないでしょうか。非日常の世界で味わう感動に、たくさんの人が高い入場料を払っているのです。

では感動はどう売れば良いかというと、感動は強要できませんから、使ったらどうなるかという効果を示すのです。それも具体的に示すことです。

お客様に具体的なイメージを与えることができれば、それがお客様の頭の中で自動的に感動に変換されるのです。

例えば暖かい毛布にくるまっている姿や開けたい穴を簡単に開けられる姿、たくさんのキャラクターに囲まれた笑顔、そういうものをたくさん見せるのです。お客様がそれを自分のことのように頭に思い描ければ、感動となるのです。

車のディーラーに行くと、家族連れの場合はセールスマンが必ず子供を車に乗せます。子どもが「パパ、この車がいい!」と言うと、購入確率が跳ね上がります。これはお父さんの頭の中で、楽しいドライブが想像でき、子どもの喜ぶ姿に感動しているからなのです。

西野浩輝写真マーキュリッチ代表取締役
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。
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