優れたビジネスパーソンになりたければこの一言を

優れたビジネスパーソンには「ある共通点」があります。実はこの要素は日本だけでなく、グローバルに共通するものです。
ご自身、および部下後輩指導の両面で参考にしていただける記事です。

from 西野浩輝

優れたビジネスパーソンになりたければこの一言を

先日、ある研修を行っていたときのことです。その中で1人、際立って目立つ受講者がいました。

見たところ30代後半くらい。他の受講者とほぼ同世代に見え、役職的にもそんなに差は無いようでした。

それでも、グループ討議を始めると自然とリーダー的存在になっているのです。

注意深く耳をそばだてて聞いていると、確かに彼の発するコメントの質が非常に高い。聞いてて思わずうなるほどの意見がバシバシ飛んでくる。

それだけでなく、鋭い質問や投げかけによって、グループメンバーから意見を引き出し、見事に場を動かしていました。

「この人は相当やり手だな」と思って研修企画担当の方に聞くと、やはり職場でもエースらしい。仕事で成果を出していて評価も高いとのことでした。

実は、その人にはある口癖があったのです。

それは、「そもそも」という言葉。

たとえば、グループワークでちょっと話が細部に行き過ぎて、迷子になりかけたら「『そもそも』この演習の目的は何でしたっけ?」と他のメンバーに問いかけ、本質の議論に立ち戻らせる。

また、意見を出し合うセッションでは、「そもそもこれは研修の場なので、リスクはないですよね?だったらもっと大胆なアイデアを出し合いませんか?」と一言を言って停滞していた雰囲気を一気に変えてしまう。

確かにリーダー的存在になるのもうなづけます。

そこで私は、こう思いました。

「おそらく彼は日常からこの『そもそも』という言葉を、ことあるごとに投げかけているはず。他者に対してのみならず、自分に対しても。この言葉こそが彼を優秀たらしてめているのではないか?」と。

ではなぜ「そもそも」という4文字がそれほどパワフルなのでしょうか?

「そもそも」という言葉がもつパワーと効果

まず第一に、この言葉を投げかけると目的に立ち返ることになり、無駄が減ります。

我々はついつい目的を忘れて回り道をしがちです。人間の宿命と言っていいくらいだと思います。

だからこそ、事あるごとに、

「『そもそも』今日の会議の目的って何だっけ?」「ここまで細部に入るのはちょっと無駄だね」

といった投げかけを常にすることで無駄がそぎ落とされ、行動が効率化され、ひいては生産性向上につながるのです。

さらに、「そもそも」と問うことで問題の根本解決になったりもします。

例えば、研修会社の営業担当者が顧客訪問した際、お客さんに「ウチの社員にプレゼン研修を受けさせたい」と言われたとしましょう。

優れた営業担当者は「当社のプレゼン研修は・・・」といきなり説明に入りません。

極めてソフトな言い方で「『そもそも』なぜプレゼン研修をしようとお考えになったのでしょうか?」「背景をお聞かせいただけませんか?」「『そもそも』何が一番の問題なのでしょうか?」「なぜそういった問題が起こるのでしょうね?」と聞いていきます。

そうやって深くヒアリングすることで、顧客の本質的な課題とニーズを掴み、根本的な問題解決につなげていくのです。

USJの人気アトラクション誕生の裏にも「そもそも」が

『そもそも』の効用はそれだけにとどまりません。うまく使えば画期的なアイデアが生まれ、イノベーションさえ起こせるほどのパワーを秘めています。

有名なテーマパークのUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)のV字回復がその一例です。

改革の立役者になったのが「後ろ向きに走るジェットコースター」という画期的なコンセプト企画。

当時のチーフマーケティングオフィサーだった森岡毅氏が、

 「そもそも本当にジェットコースターは前向きに走らないと危険なのか?」
 「そもそもそれって思い込みなんじゃないの?」

という風に、それまで当たり前と思われていたことに対して『そもそも』と問い正し、「間違った常識」に真っ向からメスを入れたのです。

結果的には、後ろ向きでも安全であることが確認されました。

そうして、最終的に待ち時間の日本記録を更新するほどの人気アトラクション「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド ~バックドロップ~」が生まれました。

大げさに言うなら、『そもそも』の問い掛けがUSJをイノベーションに導いたのです。

このように、「そもそも」のたった4文字は、効率化・問題解決・イノベーションを生むほどの計り知れないポテンシャルを持っているのです。

「そもそも」の使用上の注意

とは言え、「『そもそも』って他人に対して使いにくいよなぁ」と思っている人は少なくないと思います。

なぜならダイレクトに『そもそも』と投げかけると、尋問調になり、ケンカを売っているように聞こえかねないからです。

さらに、根本の考えやこれまでの努力を否定をしているように取られることもあります。

「この段階でちゃぶ台をひっくり返すつもりか!?」と相手を怒り心頭にさせるリスクもゼロではありません。

だからこそ、細心の注意を払って使う必要があります。

その際のポイントは、極めてソフトな雰囲気で言うこと。

丁寧な前振りとともに、満面の笑顔でかつ全身を使って「あなたに気を使っていますよ~」というオーラを前面に押し出して言うようにしましょう。

『そもそも』をうまく活用することで個人の成果のみならず、組織の変革へとつなげていただければと思います。

西野浩輝写真マーキュリッチ代表取締役
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。
西野著書写真

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