グローバル人材力を高める3ステップ理論とは

このグローバル化時代において、社員にも組織にも十分な発信力がないと生き残っていけません。
今回はその「グローバル化時代におけるコミュニケーション力強化」に関する、ある企業の事例をご紹介します。

from 西野浩輝

グローバル企業における教育体系作りの難しさ

以前にも増して「グローバル人材育成」に注力する企業が増えているなか、

「今のやり方は本当にウチに合っているのだろうか?」

という不安や悩みを聞くことも多くなっています。

実際、英語のトレーニングに加えて、各社なりの様々な試行錯誤をされているようです。

例えば、海外のグローバル先進企業でなされている教育プログラムをそのまま持ってくるのも1つでしょう。

ただし、「真似てはみたものの、自社とカルチャーが違いすぎてうまくマッチしない」という理由で頓挫してしまうのもよくあります。

残念ながら、これと言った黄金律のようなものが見つかっていない企業が多いのではないでしょうか?

そういった状況下で、その「黄金律」を見つけて実践している企業があります。

名付けて「3ステップ理論」。

この方法論によって社員力を上げている、S社の事例をご紹介したいと思います。

S社におけるグローバル人材育成の課題

一部上場メーカーであるS社は、近年急速に海外売り上げの比率が高まっており、7割近くに達していました。

まさにグローバル人材を育成するのが急務でした。

しかしながら、人材育成担当の方曰く

「ビジネスのグローバル化に、人材のグローバル化がついていっていない」

とのこと。

なかでも、グローバルのミーティング場面における日本人社員のコミュニケーションに大きな課題を感じていました。

具体的には、海外取引先との商談や社内グローバル会議で存在感と影響力を示せていないというもの。

これを踏まえ、S社の担当者と当社マーキュリッチでディスカッションを深めていき、最終的に以下の育成コンセプトを定めました。

「地蔵状態から脱却し、主導権を握れるようになる」

「地蔵状態」というのは、ミーティングにおいて発言どころか反応もない、まさに「地蔵」のように動かない状態。

これではコミュニケーションにおいて何の価値も発揮できておらず、もちろんビジネスの成果に貢献することもできません。

そこで、S社はこの状況を打破するために、上記のコンセプトを掲げたのです。

つまり、各人がもっと周囲に積極的に働きかけ、最終的に主導権を握って場を動かすことができるようになることを目標にしました。

とはいうものの「地蔵状態」にある社員が、一足飛びに「主導権をいかんなく発揮して場をぐいぐい引っ張っていく」ようになるのは不可能です。

 

特に日本人にとっては「英語力」と「遠慮がちな国民性」という2つの阻害要因のせいで、難易度が極めて高い。

そこで、適用した方法論が前出の「3ステップ理論」だったのです。

この理論にのっとって、ステップ・バイ・ステップで一歩ずつ段階を踏みながらコミュニケーション力を強化していきました。

3ステップ理論で段階的に「地蔵状態」から脱却する

では「3ステップ理論」とはどういうものなのか? 順を追って説明しましょう。

第1ステップ プレゼンテーション力の強化

グローバルのシーンでは頻繁に発表の場が訪れます。

そして日本と比べ、海外ではプレゼンテーションがより重要視されます。

ということは、プレゼンテーションが上手いとそれだけで一目置かれ、影響力と存在感を一気に高め、ひいては主導権を握っていくことも可能なのです。

しかも幸いなことに、プレゼンテーションは適切なプロセスを踏めば身につけやすいスキルです。

なぜなら、プレゼンは「質疑応答パート」を除けば基本的に1-wayなので、交渉や会議ファシリテーションに比べて難易度が高くないからです。

つまり、プレゼンテーションスキルは「主導権を取る」ためのベースになるものであり、出発点なのです。

そうやって高めた「土台となるプレゼンスキル」を元に、次に手を付けるべき第2ステップはネゴシエーションスキルの強化です。

第2ステップ ネゴシエーションスキルの強化

ネゴシエーションは相手の出方を見ながら適切に対応する力が問われます。

第1ステップで習得したプレゼンスキルをベースに、「状況対応力」を付与することでスムーズに習得していくことが可能になります。

そうやって、1対1のコミュニケーションスキルを向上させたあと、第3ステップで押さえるべきは会議ファシリテーションスキルの強化。

第3ステップ 会議ファシリテーションスキルの強化

会議ファシリテーターは、複数の人と場をうまくコーディネートしながら、成果に導くという難度の高い技術が求められます。

まさに最後の仕上げにふさわしいステップと言えるでしょう。

S社はこのように、「1-way」→「2-way」→「1対多」という正しい順番で強化することで、コミュニケーション力を着実に上げていくことができたのです。

繰り返しますが、この3つのスキルの中で一番の土台となり、最も重要なのがプレゼンテーション力です。

プレゼン力の強化が社員を地蔵状態から脱却させるための1丁目1番地となります。

では、「グローバルで一目置かれる」プレゼンテーションを習得するために、どのようなやり方が効果的なのでしょうか?

グローバルで一目置かれるプレゼンを習得するポイント

必要な要素は大きく2つです。

1つは、基本的なプレゼンテーションスキルを体系的に学ぶこと。
これは日本語でも英語でも同じです。

もう1つは、「ノンネイティブにとっての英語プレゼンにおける秘訣とタブー」、いわゆる「Do’s & Dont’s」を押さえること。

そうすることで、最短距離で「グローバルプレゼン」のスキルを高め、第2ステップ、第3ステップへの布石を打つことができるのです。

このS社のように、

「社員がもっと主導権を取ってビジネスを進めてほしい」

という課題意識をお持ちの方は、ぜひこの「3ステップ理論」を検討されることをお勧めします。

西野浩輝写真マーキュリッチ代表取締役
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。
西野著書写真

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