営業マンはヒアリング能力の中にある「質問力」を鍛えて、お客様の考えや意見を引き出そう

from 西野浩輝

ヒアリング能力を鍛えていく中で、相手の答えを深く掘り下げていくスキルがあります。

深く掘り下げるとは、意味が分からず聞き返すことではありません。曖昧さを排除したりより理解できるように、相手の言葉を引き出すのです。

「なぜ?」、「たとえば?」の使い方

例えば、「ヒアリング能力はお客様の信用を維持する効果がある」という話で、「なぜですか?」と質問してみましょう。

これって、分からないから教えてくださいと言っているように聞こえる場合があります。そこで「お客様はどう感じて、営業マンをより信用するのですか?」という訊き方に変えてみましょう。

随分と印象が変わりましたね?訊かれた側が、もっと理解したいのですというポジティブな印象を持ちます。こうなると、ついつい余計なことまでぺらぺらと話してしまうのが人間です。

同じように、「たとえばどういうことですか?」と訊くよりも、「一般的には相手をより理解できるようになると解釈するのですが、信用を維持するというのは、例えばどういうことなのでしょう」と訊く方が、より前向きな質問になります。

それは、理解しようとしてくれていると思えるからです。言葉を少し変えるだけで、随分と印象が異なるのです。

深く理解できるからこそ信用を得られる

先ほどの「ヒアリング能力はお客様の信用を維持する効果がある」という話で、「なぜですか?」と質問したとしましょう。

おそらく「お客様が評価するからだ」と短く答えたくなります。また「たとえばどういうことですか?」と訊くと「努力する姿勢を評価するのだ」という返答になる可能性が高いのです。

二つに共通するのは、短い言葉で返事をしている点です。

あまりに端的に質問すると、答える方も端的にしなくてはいけないと感じてしまうのです。

だからといって、長々と話した最後に質問をつけ足してもダメです。質問は最後の一言だけだからです。質問自体をある程度長めの言葉にすることがポイントなのです。

そうすると訊かれた方は、考えます。考えながら話すので、当然言葉が多くなり理解し易くなるのです。

西野浩輝写真マーキュリッチ代表取締役
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。
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