外部から講師を招いて講演会やセミナーなどを開催する際、最も気を遣うポイントの一つが講師に依頼する際の文面です。

講師依頼文を書く際は、最低限のマナーを守りつつ、講師への要望とその背景を的確に伝える必要があります。

なぜなら事前情報が不足していると、どれだけ優れた講師を招いたとしても開催者の意図とずれた内容になりやすく、最終的に参加者の満足度が低下してしまうからです。

セミナー・講演依頼を成功させるために、ぜひマスターしておきたい講師依頼文の書き方や注意すべきポイントについて解説します。

講師依頼文とは何なのか?文面作成前に気をつけたいポイントとは

講師依頼文を書く際には、講演会・セミナー・研修それぞれの特徴を理解し、以下の3点を事前にしっかりと把握しておく必要があります。

  • 参加者として想定しているのはどんな人達なのか
  • 開催する目的は何なのか
  • どのような効果を期待しているのか

その上で依頼文を書かないと、こちらのイメージとズレたセミナー内容になるリスクがあります。

以下に、講師依頼文の目的と事前準備のポイントをまとめましたので、参考にしてください。

講師依頼文の役割

講師依頼文の役割は、講師に対して企画の意図と内容のイメージが相手に伝わることです。

講演テーマや要望のみを伝えるのではなく、「なぜその講師に依頼したいのか?」といった理由や背景について、しっかり説明する必要があります。

そうすることで、講師も開催者の意図を汲み取った上で、最高のパフォーマンスを発揮できるのです。非常に多忙な講師の場合、あらかじめ講演テーマを限定しているケースもあるため、講師を選定する際に十分リサーチしておきましょう。

依頼前の注意点

講師依頼文は、あくまでも講師にセミナーを打診するためのものです。したがって、講演依頼を必ずしも受けてもらえるとは限らないという点に注意しておきましょう。

とはいえ、複数人の講師に同時進行でやみくもに依頼文を送付するのは避けましょう。

最終的にお願いする講師の人数には限りがあります。もし複数名の講師が打診を受けてくれた場合、最終的にお願いする方以外にはお断りをしなくてはいけません。

まずは2~3名の講師に絞り、実施の可能性を講師側に打診します。

その上で、いつまで仮押さえが可能かを聞いた上で、その期日までに決定するようにしましょう。

その際、講師側には「まだ決定ではなく、状況によってはお願いしないこともあるかもしれない」旨をしっかり伝えておくと、その後のトラブルを避けることができます。

講師依頼文に盛り込むべき8項目の情報

講師依頼文を書く際には、以下の8項目の情報を必ず盛り込みましょう。

  • 主催者名
  • イベントや企画の名称と趣旨
  • セミナーを依頼したいテーマ
  • 日時および講演時間
  • 会場
  • 参加者の属性や人数
  • 謝礼内容
  • 担当者名と連絡先

それぞれの項目について講師側はどんな情報を必要としているのか、具体的に見ていきましょう。

主催者名

講演会・セミナー・研修を主催する企業や団体の名前は必須事項です。合わせて、どのような事業活動をしているのかも簡単に添えておくと親切です。

イベントや企画の名称と趣旨

イベントを開催する目的や意図が分かるように、かつ簡潔に述べましょう。

例)新入社員向けのマナー研修、創立10周年記念講演会、など

セミナーを依頼したいテーマ

どんなテーマで講演してほしいのか、講師へのリクエストを記載します。講師によってはセミナーテーマを限定している場合もあるので、あまりにも無茶な依頼にならないように配慮しましょう。

日時および講演時間

日時は必ず、元号か西暦を入れましょう。講師によっては1年・2年先の依頼を受けているケースもあるからです。

また曜日も添えた上で、複数の日時案を用意しておくと、講師がスケジュールを確認しやすくなるので便利です。

時間については、その講師にお願いするセミナーの開始から終わりまでの時間を記載しておきましょう。

あらかじめ時間を伝えておくことで、講師が内容を組み立てやすくなります。時間によって、内容量や演習の有無なども変わってくるため、確実に伝えておきたいポイントです。

会場

会場名は略称を使わず、正式な名称で書くのがポイントです。特に遠方から招く講師の場合は、略称だと別の施設と誤認されてしまう可能性があります。

講師依頼の時点でホール名や会議室の部屋番号などがわかっていれば、合わせて記載しておきましょう。

タクシーや車、公共機関で講師が直接移動するケースも想定して、会場の住所や電話番号、アクセスについても書き添えておくとより丁寧です。

参加者の属性や人数

セミナーに参加する人の属性や人数がある程度わかれば、講師依頼文の中にぜひ盛り込んでおきましょう。そうすると、講師も場に合った話をしやすくなります。

性別や年齢に明らかに偏りが生じる場合は、その点についても一言説明を加えておくと安心です。

謝礼内容

講師依頼文の文面には、講師に支払う謝礼も明示しておきましょう。消費税や交通費の扱いについても、きちんと説明を添えておくと、後からトラブルにならずにすみます。

担当者名と連絡先

最後に、講演依頼に関する問い合わせや返答ができる担当者の名前や連絡先を記載しておきましょう。

 

以上の8項目を記入したうえで、「補足事項」として、「理由」や「背景」、「スケジュール感」を伝えると、相手が趣旨をより正確に理解してくれ、その後のコミュニケーションがスムーズになります。

講師依頼文の文例

ここまでに紹介した8項目の内容がきちんと記載されていれば、依頼された講師が判断に困ることはありません。

講師依頼文のテンプレートとしては、以下のようになります。

講師名)様

お世話になっております。株式会社〇〇の(担当者名)と申します。
この度、〇〇様に講演のご相談をさせていただきたく、ご連絡いたしました。

下記が概要でございます。

ご多忙の中、大変恐縮ではございますが、ご検討いただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

   記

  • 主催:株式会社〇〇
  • 趣旨:新入社員向けのビジネスマナー研修
  • テーマ:コミュニケーションスキルとしてのマナー
  • 日程:〇〇年○月○日(月)もしくは○日(水)
  • 時間:15:00~16:30(90分間)
  • 会場:〇〇センター 研修室A(住所・電話・アクセス)
  • 対象:弊社新入社員(女性5名・男性10名)
  • 謝礼:○○万円(消費税・交通費別途)
  • 補足事項:(※講演依頼の背景や正式依頼までのスケジュールなど、特筆すべき事項を簡単にまとめる)

 以上

何卒よろしくお願いいたします。

面識がある相手に対してであっても、講師依頼文は丁寧に、敬意を持って書くのが礼儀です。

依頼を受けてもらえた場合はもちろんのこと、もし断られた場合でも次につながるように、失礼のない対応を心がけましょう。

講師依頼文をメールで送る場合のチェックポイント

メールによるコミュニケーションは便利な反面、リスクもはらんでいます。

以下に講師依頼文をメールで行う際の注意点を書きましたので、参考にしてください。

タイトルだけで内容が分かるように工夫する

人気のある講師の場合、毎日大量に依頼メールを受け取っています。場合によっては、秘書が選別したメールだけを開封している可能性もあります。

そのため、タイトルだけで内容が分かるように工夫しておかないと、開封すらされないケースも考えられるのです。

たとえば、「【〇〇/○/○(月) 渋谷】〇〇様 セミナー登壇のご相談(〇〇社)」というように、具体的な日時や地名、そして開催者と依頼内容がわかるタイトルにします。

そうすれば、読み手の目にもとまりやすく、あとから検索もしやすいため、おススメです。

講演依頼を成功させるために、メールタイトルにもしっかり気を配りましょう。

講師名やメールアドレスを必ず確認する

講師依頼文のメールを送る際に、講師名が間違っていたら台無しです。「山崎」と「山﨑」「渡辺」と「渡邉」など、漢字を間違えやすい名字の講師の場合は特に注意を払いましょう。

また、間違ったメールアドレス宛に送ってしまうのも、失礼にあたるのみならず、セキュリティの観点でも危険です。

事前に数回確認した上で、送信前にも再チェックを徹底しましょう。

他者の目を活用して間違いをチェックする

誤字脱字や事実情報など、自分ひとりだけではなかなか間違いは見つけにくいもの。

より重要なメールの文面は他者にもみてもらうと客観的な目でのチェックになり、間違いを発見しやすくなります。必要に応じて他メンバーにも協力してもらいましょう。

まとめ

講師依頼文を書く際には、いかに分かりやすく、必要な情報をもれなく伝えるかがポイントです。項目ごとに情報を整理し、謝礼の金額や日時なども具体的に記載しましょう。

ポイントを抑えた上で、敬意を持って依頼すれば、仮に断られても会社の印象を損ねることはありません。

ぜひ今回の記事を参考に、講演依頼にチャレンジしてみてくださいね。