from 西野浩輝

人生100年時代は、まず「Must」思考からの脱却を!

2022年が始まりました。
新年の抱負を立てた方も多いと思います。

抱負を立てることの効用はたくさんありますが、その中で大きなものの1つは、「これからのありたい姿」や「将来ビジョン」を考えることではないでしょうか?

いわば、「どのような未来を作っていきたいか?」に思いを馳せることとも言えます。そうすることで、モチベーションが掻き立てられたり、人生に張りや希望が生まれたりします。

「未来」を考えることには、それだけ大きな意味があると思います。

さて今回は、その「未来」の生き方について、最近よく言われる「人生100年時代」のテーマで私なりの提言をさせていただければと思います。

「人生100年時代」と聞いた時に浮かびがちな考え

「人生100年時代」

最近よく耳にする言葉ですよね?

長生きできることは大変喜ばしいことのはずなのに、なぜだか「100年時代」と聞くと、こんな考えが浮かび、気が重くなったりしませんか?

 

「長い人生を生き抜くために、ずっと働かないといけない」
 
「これまでと違う生涯設計をしないといけない」

「新たな知識、スキルを身につけないといけない」

「いくつになっても続けられるような、新たな趣味を見つけないといけない」

ここで注目して欲しいところがあります。

それは、語尾です。

全て、「Must(~~しないといけない)」で終わっています。

そりゃあ、息苦しく、気が重くなりますよね?「Mustだらけの人生」がこのあと待っているんですから。

Mustという認識を変えてみる

そこで私は声を大にして言いたい。

「考え方を180度変えて、『Want』だらけの人生にしませんか?」と。

「そう言われてもなかなか急には変われない」と思われるかもしれません。

でもそんなに難しいことではないのです。

 

まずは残された時間を計算してみましょう。

仮に65歳で今の会社を定年退職したとします。

100歳まで、時間にして何時間残っているでしょうか?

1日の起きている時間を16時間と仮定すると、20万4400時間。

なかなか大きい数字です。

 

ここで、我々に勇気をくれる理論を紹介します。

「1万時間の法則」です。

マルコム・グラッドウェル氏が提唱したもので、「ある分野のエキスパートになるには1万時間の練習・努力・勉強が必要だ」という理論です。

見方を変えれば「1万時間しっかり鍛錬すると、ある分野のエキスパートになれる」とも言えます。

確かに、私自身のことを省みると、「英語」や「プレゼン」を習得するのに要した時間はちょうどそれくらいだった気がします。

極めて、納得感のある法則です。

この「1万時間の法則」を、先ほどの「定年後の20万4400時間」に適用してみましょう。

20万4400時間のうち、仮に3割の時間を鍛錬の時間に充てたとします。

約6万時間ですから、なんと6つもの分野でエキスパートになれるのです。

 

ただし、こう思う人がいるかもしれません。

「高齢になれば、頭も体もどんどん退化するから、成長は無理だ」と。

 

ずばり、その心配は不要です。

最近の脳科学などの分野における実験・研究によると、脳も体も鍛えようによってはいくつになっても発達することが実証されています。考え方、やり方次第で我々はずっと成長し続けていけるのです。

今私が言ったことは、決して絵空事なんかじゃありません。

100年時代を体現する2人の大先輩

このことを見事に体現している人がいます。

90歳のフィットネス・インストラクター、瀧島未香さんです。

彼女は65歳でジムに通い始め、そこから成長をし続け、ついには87歳でフィットネス・インストラクターに就任したのです。そして90歳の今も、インストラクターとして第一線で活躍されています。

もう一人、100年時代の体現者をご紹介します。

世界最高齢アプリ開発者、若宮正子さんです。

以前のメルマガでも紹介した人で、詳細を知りたい方は以下をご覧ください。

彼女は、60歳で定年退職した後にパソコンを始めて以来、どんどんのめり込み、なんと81歳でアプリを開発するまでに至りました。

アップルCEOのティム・クックに紹介されたり、国連に呼ばれたり、ニューズウィーク日本版で「世界が尊敬する日本人100」に選ばれたりと、世界中から注目されるほどの人にまでなりました。

そして、86歳の今も大活躍されています。

上記のお二人に共通していること。

それは、楽しみながら、夢中になって極めていったことです。

そうなんです。

「Must」でなく、「Want」で取り組んだからこそ、高齢にしてこれだけの驚異的な成長を成し遂げられているのです。

100年時代における希望を我々にくれるのではないでしょうか?

100年時代を面白くするコツ

ここまでは定年後の20万4400時間をどう使うかという話をしてきましたが、もちろん定年まで待つ必要は全くありません。

現役のビジネスパーソンであっても、極めるつもりで取り組めばいいのです。

たとえば、仕事。

仕事を通じて、自分の得意分野を見つけ、そこを重点特化して伸ばしていく。

すると、あっという間に「1万時間の鍛錬によるエキスパート化」は可能なはずです。

余暇の時間を使って楽しむ趣味だってそうです。

たとえば日本酒が好きな人なら、ただ漫然と飲むのでなく、その銘柄の由来や生産された地の文化を学んでみる。休日には、生産地を旅行してみる。

そうすることで、楽しみながらお酒に関する知識が深まっていき、気づいたら1万時間が経過して、日本酒の大家になっているでしょう。

 

さて、あなたは「1万時間の法則」を利用して、どんなエキスパートになりたいですか?

いろんなアイデアが浮かんでくると思います。

「Must」思考からの脱却が、見える景色を一変させ、あなたの「100年人生」を俄然面白くするはず。

これからの「Wantだらけの人生」を考えると、ワクワクしませんか?

西野浩輝写真マーキュリッチ代表取締役
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。
西野著書写真

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