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from 西野浩輝

B子さんに気があるA男君は、いきなりデートに誘うよりも先ずはグループ行動からと判断し、B子さんとC子さんを美術展に誘いました。B子さんとC子さんが絵画に関心があることを事前にリサーチしていたのです。

しかしC子さんは今、仕事が忙しくて休みの日はぐっすり寝たいとA男君の誘いを断りました。B子さんは美術展そのものには興味がありそうでしたが、C子さんが行かないならと辞退してしまいました。

この話を聞いて、あなたはA男君に同情しますか?私は同情できません。

事前リサーチの重要性

営業の仕事は恋愛に似ているところがあります。どちらも、意中の相手に気に入ってもらいたいという願望が強いからです。

さて、A男君は女性二人が絵画好きという「性質」情報リサーチだけで単純に行動してしまいました。C子さんの仕事状況やB子さんはC子さんとの協調性が高いという「環境」情報についてはノーマークだったのです。

情報には、性質的側面と環境的側面、経済的側面の3種類があります。これらを事前に多角的に把握していくようにしないと、実のある成果は得られません。

営業における情報の多角的把握

情報の3分類を営業において具体的に説明してみましょう。

どんな担当者なのか、何をしている会社なのかというのが性質的側面です。
会社の経営状況や事業計画、市場動向等が環境的側面と言えるでしょう。
予算や納期等が経済的側面になります。

3つの情報を事前に全て把握するのは難しいかもしれません。

特に経済的側面の情報を事前に掴めるのは、お客様の方からアプローチがあったときだけかもしれませんね。

それでも、できるだけ3つの側面から、多角的に事前リサーチしておこうという姿勢を忘れないでください。お客様に利益をもたらす提案を行っても、事前の情報が少なければ少ないほど他の要因から受け入れてもらえないという結果になってしまいます。

お客様とアポイントが取れて初めてお会いした際に、世間話で盛り上がる営業マンがいます。
この時、その営業マンはアンテナを敏感に働かせて多角的な情報収集に努めているのです。無駄に時間を潰している訳ではありません。ベストな商品をお勧めできるよう、状況を見極めているのです。

西野浩輝写真マーキュリッチ代表取締役
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。
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