「実例ストーリー」と「妄想ストーリー」が聞き手の心をわしづかみにする

プレゼンテーションにおいて「ストーリーを語れ」というのは何度も聞いたことがあると思います。
とはいうものの、「どんなストーリーを語れば効果的なのか?」という疑問を持っている人も多いのではないでしょうか?そこで今回、特に西野がお勧めする2種類のストーリーをご紹介します。

営業マンは「あなた」という商品を上手にプレゼンする事で、お客様との長い付き合いが実現する

from 西野浩輝

どんなストーリーが聴き手の心を鷲掴みにするのか?

前回のコラムでは、

「神輿を担ぎたい」と思わせるためのプレゼンに仕立てる「3種の神器」についてお伝えしました。
(その時の記事はこちらから)

それは、

Why
未来
ストーリー

の3つ。

今回はその中の「ストーリー」についてより詳しくお話しします。

 

プレゼンテーションにおいて「ストーリーを語れ」というのは何度も聞いたことがあると思います。

とはいうものの、「どんなストーリーを語れば効果的なのか?」という疑問を持っている人も多いのではないでしょうか?

そこで今回、特に私がお勧めする2種類のストーリーをご紹介します。

それは、「実例ストーリー」と「妄想ストーリー」

実例ストーリーで真意を伝える例

まずは、1つ目の「実例ストーリー」から。
これは文字通り、実際に現場で起こった事象を物語として語るもの。

以下は、ある経営者がプレゼンのなかで、自社の営業担当者が行った素晴らしい行為を紹介し、それを通じて「真の顧客貢献とは何か?」を語る場面です。

 

「営業の田中君の模範的な行為を紹介させてください。

田中君のクライアントであるX社の担当者Aさんは50代後半の男性でした。

Aさんはシングルファーザーで、男手1つで娘さんを育て上げてきた苦労人です。
その娘さんには夢があった。それはバレーボールの全国大会に出て活躍すること。

Aさんは、田中君との商談の最後に雑談交じりでこう聞いてきたらしいんですね。
『ちなみに、御社のバレーボールチームに、娘の学校まで教えに来てもらえません
かねぇ?』と。

田中君は『申し訳ないのですが、さすがにそれは厳しいかと・・・』と答えました。
いち公立中学校にバレーチームを派遣することは現実的じゃないからです。

ただ、田中君はそこで終えなかったんです。

ダメ元でバレーチームの広報に掛け合い、「何とか派遣してもらえないか?」と
お願いした。

残念ながら派遣を断られた田中君は、さらに粘って交渉し、選手全員のサインを
もらってきたんです。

その上で、次にAさんに会ったときにこう言いました。

『バレーチームを呼ぶことを掛け合ってみたのですが、できませんでした。
力不足で申し訳ありません』と。

するとAさんは、『こちらこそすいませんでした。ちょっと言ってみただけです
ので気になさらないでください。お気持ちだけで十分です』と答えました。

そこで田中君はすかさずこう言ったんです。

『ただしバレーチーム全員のサインをもらってきました。こちら、娘さんに
渡してあげてください。娘さんの夢、私も応援させていただきます』と

Aさんは涙を流して喜んだと言います。

私はまさにこれこそ『真の顧客貢献』だと思います。
お客様を喜ばせるために、寄り添い、考え抜き、あらゆる手を尽くす。

そうすることで、顧客との絆をさらに強めていき、ひいてはそれがビジネスに
つながっていく。ぜひ皆さんも参考にしていただきたい。」

 

いかがでしょう?

ただ「顧客貢献」「顧客第一主義」を抽象的に説明するよりはよっぽど伝わったのではないでしょうか?

妄想ストーリーを用いて聴き手の心を動かす例

2つめの「妄想ストーリー」について。

これは、「自社のビジョンや取り組みが人々にどう貢献し、どう救うのか?」を妄想や想像を膨らませながらストーリー仕立てで語るものです。

以下に、故・松下幸之助さんがこのことを見事に体現している例を紹介します。

 

その昔、電球を布で磨く仕事をしている従業員たちに向かって、幸之助さんはこう語ったそうです。

「君らが電球を磨く。その電球で、町の街灯に明かりがつく。
夜遅くに、怖い思いして、駅から家に帰らなあかん女の人がおる。
ところが、君らが磨いた電球のおかげで、いつも怖い思いして帰ってたのに、
今日からは、安心して家に帰ることができる。

おかあちゃんが帰ってくるのが遅くて、もう暗くなってもうて、
ウルトラマンの絵本を読んでもらわれへん子供がおる。

そんな子供の家に、君らの磨いた電球が一個灯るだけで、その子はおかあちゃんに、絵本読んでもらえる。
そのおかげでウルトラマンは続行や!

君らのような人がいなかったらどうなる?

その女の人は、ずっと怖い思いをして夜道を歩かなあかん。
その子供は、大好きな絵本を読んでもらえずに、悲しい思いをし続けるんやで。

そう考えると、君らは、たくさんの人を助け、幸せにしてる。
ほんまええ仕事してるな~。私は誇らしく思うよ」

 

どうでしょう?

上記の「女性の話」や「ウルトラマンの話」は事実ではなく、あくまで妄想や想像です。

ただ、このように場面を具体的にありあり描写することで、心に響くプレゼンになるのではないでしょうか?

 

「実例」と「妄想」。

この2つの観点で持ってエピソードを探してみてください。
あなたのプレゼンテーションの魅力を一気に高めるストーリーが見つかるはずです。

次回の記事では、「ストーリーを効果的に語るテクニック」についてお伝えします。

西野浩輝写真マーキュリッチ代表取締役
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間200日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。
西野著書写真

西野浩輝プロフィールはこちら

このページの先頭へ